NYダウ153ドル高 S&P500とナスダックは8月以来の戻り高値

1日のNY株式相場は反発。前日に債務上限引き上げ法案が下院で可決し、上院でも可決される見通しとなったことで、米国のデフォルト懸念が後退した。


寄り前に発表された5月ADP民間部門雇用者数や週間新規失業保険申請件数が強い結果となったことで利上げ長期化懸念が強まったものの、寄り後に発表された5月ISM製造業PMIが予想を下回ったことで6月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ休止見通しが続いたことも支援となった。


ダウ平均は朝方に203ドル安まで下落したものの、259ドル高まで上昇し、153.3ドル高(+0.47%)の33061.57ドルで終了。

S&P500とナスダック総合も小幅に下落後、それぞれ0.99%高、1.28%高で終了した。


ダウ平均は3日ぶりの反発となり、S&P500とナスダック総合は昨年8月以来の戻り高値を更新して終了した。


S&P500の11セクターは公益(-0.78%)と生活必需品(-0.09%)を除く9セクターが上昇。

IT、資本財、素材、エネルギー、一般消費財、コミュニケーション、金融が1%超上昇した。


投資家の不安心理を示すVIX指数は前日比-2.29ポイントの15.65ポイントと、4月28日以来、2カ月ぶりに15ポイント台に低下した。


経済指標は、5月ADP民間部門雇用者数が27.8万人増と予想の17.0万人増を大きく上回り、週間新規失業保険申請件数も23.2万件と予想の23.5万件を下回るやや強い結果となったが、5月ISM製造業PMIが前月分の47.1や予想の47.0を下回る46.9となったことが6月FOMCでの利上げ休止期待を高めた。


CMEのフェド・ウォッチが示す6月FOMCでの金利据え置き確率は、前日の74%から82%に上昇した。



国際金融情報部 アナリスト

羽土 美幸

富山県出身。国内証券で株式等の営業、仏系証券でポートフォリオ分析、転換社債、エクイティ・デリバティブの分析・開発・営業などを担当。 2014年からDZHフィナンシャルリサーチにおいて米国株式、金融市場レポート編集、海外ETF業務を担当。

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