NYダウ232ドル安と反落 FOMCの結果を受けてS&P500が小幅続伸

14日のNY株式相場は高安まちまち。注目された米連邦公開市場委員会(FOMC)で市場予想通りに利上げが見送られたが、年内あと2回の利上げの可能性が示されたことが嫌気され下落する場面もあった。

しかし、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が会見で7月FOMCでの利上げは未定、FRBはインフレ抑制に一定の成果をあげたと発言したことで買い直された。


ダウ平均はユナイテッドヘルスが大幅安となったことで232.79ドル安(-0.68%)と7日ぶりに反落した一方、S&P500は一時0.71%安まで下落後、0.08%高と小幅ながらプラス圏で終了し、ハイテク株主体のナスダック総合も0.86%安まで下落後、0.39%高で終了。ともに5日続伸し、引き続き昨年4月以来の戻り高値を更新した。


ダウ平均採用銘柄はナイキが5.69%高、インテルが4.92%高となり2銘柄でダウ平均を51ドル押し上げたものの、ユナイテッドヘルスが6.40%安となり、1銘柄でダウ平均を207ドル押し下げた。


ダウ平均採用銘柄以外ではエヌビディア、オラクルが4%超上昇し、ハイテク株の上昇をけん引した。


FOMCでは、FF金利の誘導目標を5.00-5.25%に据え置かれたものの、2023年末のメンバーのFF金利見通し(ドットプロット)の中央値が5.50-5.70%となり、年内に0.25%ずつ2回の利上げの可能性が示された。

パウエルFRB議長は会見でインフレ抑制のために利上げ継続が必要だとし、利下げについては当分先としたものの、7月FOMCでの利上げは未定だとした。


朝方に発表された米5月生産者物価指数(PPI)は前年比+1.1%と前月の+2.3%から伸びが鈍化し、予想の+1.5%も下回った。前月比では前月の+0.2%から-0.3%と予想の-0.1%を下回る低下となった。



国際金融情報部 アナリスト

羽土 美幸

富山県出身。国内証券で株式等の営業、仏系証券でポートフォリオ分析、転換社債、エクイティ・デリバティブの分析・開発・営業などを担当。 2014年からDZHフィナンシャルリサーチにおいて米国株式、金融市場レポート編集、海外ETF業務を担当。

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