アップルが4週ぶりに大幅反落 4-6月期はiPhone販売が予想以上に減少

先週の米国株は主要3指数がそろって下落 S&P500とナスダックが3月以来の大幅安


先週の米国市場ではダウ平均が1.1%安、S&P500が2.3%安とともに4週ぶりに反落し、ナスダック総合は2.8%安と反落。S&P500とナスダック総合の週間下落率は3月以来の大きさとなりました。


週後半にアップルやアマゾン・ドット・コムの決算発表や米7月雇用統計の発表を控える中、週明けは小幅に上昇してスタートしましたが、格付け会社のフィッチ・レーティングスが米国債を格下げしたことでリスク回避の動きが強まりました。

格下げを受けて米国債が下落し、米10年債利回りが上昇したことでハイテク株や公益などの高配当利回り株が下落したことも相場を押し下げました。


注目されたハイテク・ジャイアントの決算は予想を上回る増収増益決算や強い見通しが好感されたアマゾン・ドット・コムが週間で5.6%高となった一方、アップルは決算が予想を上回ったものiPhone販売が予想を下回ったことなどが嫌気され週間で7.1%安となりました。


週末4日に発表された米7月雇用統計は非農業部門雇用者数が18.7万人増と市場予想の20万人増を下回る増加にとどまりましたが、失業率が3.5%と前回の3.6%から改善し、平均時給は前月比+0.4%、前年比+4.4%と、それぞれ予想の+0.3%、+4.2%を上回る伸びとなったことで金融政策の見通しの不透明感を強める結果となりました。


アマゾンが大幅高 予想を上回る2Q決算や強い3Q見通しを好感


米インターネット販売大手アマゾン・ドット・コムが3日引け後に発表した2023年第2四半期(4-6月)決算は、売上高が前年同期比10.9%増の1343億8300万ドルとなり市場予想の1315億100万ドルを上回りました。

営業利益が同2.3倍の76億8100万ドル、純利益が同3.6倍の67億5000万ドルとなり、調整後の一株当たり利益は0.65ドルと市場予想の0.35ドルを大きく上回りました。


第3四半期については、売上高見通しを前年同期比9-13%増となる1380億-1430億ドルとし、中央値が市場予想の1382億5000万ドルを上回りました。

営業利益は55億-85億ドルと、前年同期の25億ドルから大幅増となる見通しを示しました。


株価は4日の取引で一時、前日比14.72ドル高(+11.4%)の143.63ドルまで上昇し、10.66ドル高(+8.3%)の139.57ドルで終了。週間で5.6%高と2週続伸し、年初来では66.2%高となりました。

 

アップルの4-6月期はiPhone販売が予想以上に減少


米コンピューター・モバイル端末大手の米アップル)が3日引け後に発表した2023年度第3四半期(4-6月)決算は、売上高が前年同期比1.4%減の817億9700万ドルとなりましたが市場予想の816億8600万ドルを上回りました。

純利益は同2.3%増の198億8100万ドルとなり、調整後の一株当たり利益は1.26ドルと市場予想の1.19ドルを上回りました。


製品別の売上高は、iPhoneが前年同期比2.4%減の396億6900万ドルとなり、市場予想の399億1000万ドルを下回ったほか、Macが同7.3%減の68億4000万ドル、iPadが19.8%減の57億9100万ドルとなりましたが、

ウェアラブル端末等が2.5%増の82億8400万ドルとなり、サービス収入は8.2%増の212億1300万ドルと好調でした。


株価は4日の取引で、前日比3%安前後で推移しましたが、終盤に9.25ドル安(-4.8%)の181.92ドルまで下落し、9.18ドル安(-4.8%)の181.99ドルで終了。

ダウ平均採用銘柄の中で下落率トップとなり、1銘柄でダウ平均を60ドル余り押し下げました。週間では7.1%安と4週ぶりの反落となりました。


週明け7日の取引でも前日比3.23ドル安(-1.8%)と5営業日続落し、年初来上昇率は37.6%に縮小しました。





国際金融情報部 アナリスト

羽土 美幸

富山県出身。国内証券で株式等の営業、仏系証券でポートフォリオ分析、転換社債、エクイティ・デリバティブの分析・開発・営業などを担当。 2014年からDZHフィナンシャルリサーチにおいて米国株式、金融市場レポート編集、海外ETF業務を担当。

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