食品株に買い妙味?

先週の米国株は主要3指数がそろって下落


先週の米国市場ではダウ平均が0.75%安と反落し、S&P500が1.29%安、ナスダック総合が1.93%安とともに3週ぶりに反落しました。


サウジアラビアなどの供給削減継続を受けた原油高がインフレ懸念を強める中、米8月ISM非製造業総合指数(PMI)や新規失業保険申請件数などの経済指標が予想を上回る強い結果となり米国債利回りが上昇したことが重しとなりました。


中国政府が政府機関などでのiPhone使用を制限するとの報道を受けて時価総額最大のアップルが売られ、関連銘柄が大きく下落したこともハイテク株の重しとなりました。


ただ、週末8日はアップルが3日ぶりに反発し、S&P500とナスダック総合もそれぞれ4日ぶり、5日ぶりに反発して終了しました。


年初から大きく下落した食品株が堅調


主要3指数がそろって下落する中、先週はキャンベル・スープ(CPB)が3.15%高、クラフト・ハインツ(KHC)が1.17%高などと加工食品株の一角が堅調な推移となりました。

しかし、年初来ではS&P500が16%高となる中、キャンベル・スープ、コナグラ・ブランズ(CAG)、ゼネラル・ミルズ(GIS)が年初から20%超下落し、クラフト・ハインツとケロッグ(K)も16%超の大幅安となるなど食品株の低迷が続いています。

 

2023年の米国株はITなどのハイテク株が相場をけん引する一方、公益や生活必需品などのディフェンシブ株は総じて市場をアンダーパフォームしていますが、中でも加工食品株の低迷が際立っています。


ウォール街のアナリスト達は、売上高の減少、プライベートブランドとの競争激化、利益見通しの低迷、金利の上昇などを理由に食品株の投資判断を引き下げてきましたが、S&P500を30%以上アンダーパフォームしている足もと株価は投資妙味が高まっています。



バリュエーション面でも魅力高まる


売上高や利益の成長が期待しにくい食品株ですが、株価の下落によりバリュエーションは低下しており、割安感が強まっています。


予想株価収益率(PER)を見ると、コナグラ・ブランズは今期予想一株当たり利益の10.7倍、クラフト・ハインツも11.4倍で、キャンベル・スープ、ケロッグ、ゼネラル・ミルズも13-14倍で、S&P500の約19倍に比べ割安感があります。


配当利回り面でも割安感があります。S&P500の配当利回りは約2.0%ですが、クラフト・ハインツが4.85%、コナグラ・ブランズが4.81%、ケロッグが4.04%とS&P500の約2倍となっており、ゼネラル・ミルズとキャンベル・スープもそれぞれ3.57%、3.51%とS&P500の配当利回りを大きく上回っています。


これらの企業の平均配当性向は約50%で、増配や自社株買いなどの株主還元の余地も残っています。


米国市場では例年9-12月の4カ月間に食品株などのディフェンシブ株が市場をアウトパフォームする傾向があります。


2023年の相場でも年初から大きく下落し、バリュエーション面の魅力が高まった食品株に見直し買いが入るチャンスがありそうです。


国際金融情報部 アナリスト

羽土 美幸

富山県出身。国内証券で株式等の営業、仏系証券でポートフォリオ分析、転換社債、エクイティ・デリバティブの分析・開発・営業などを担当。 2014年からDZHフィナンシャルリサーチにおいて米国株式、金融市場レポート編集、海外ETF業務を担当。

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