ダウ平均が6日連続で史上最高値更新 マイクロソフト、セールスフォース、ボーイング、アップルが大きく寄与

ダウ平均が6日連続で史上最高値 S&P500も最高値に接近


先週の米国株式市場では、ダウ平均が0.22%高、S&P500が0.75%高、ナスダック総合が1.21%高となり、主要3指数がそろって8週続伸しました。ダウ平均は2019年2月の9週続伸以来の長期連騰となり、S&P500は2017年11月の8週続伸に並びました。


前週12~13日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で来年3回の利下げの可能性が示されたことや、インフレ沈静化見通し、米国経済のソフトランディング期待が引き続き米国株の支援となりました。


先週金曜日に発表された11月個人消費支出(PCE)価格指数は、変動の大きい食品、エネルギーを除くコアPCE価格指数が前月比+0.1%と市場予想の+0.2%を下回る伸びとなり、前年比でも10月改定値の+3.4%から+3.2%に鈍化し、予想の+3.3%も下回りました。


米連邦準備理事会(FRB)が注目するインフレ指標が鈍化したことで、CMEのフェド・ウォッチが示す来年3月FOMCでの利下げ確率は前週末18日の69%から93%に上昇しました。


ダウ平均は12月13日から20日まで6営業日連続で史上最高値を更新し、終値では13日から19日まで5営業日連続での最高値更新となりました。


S&P500は20日に一時4778.01ポイントまで上昇し、2022年1月4日に付けた史上最高値4818.62ポイントまで0.84%に迫りました。先週末22日は4754.63ポイントで終了し、2022年1月3日の終値の最高値4796.56ポイントまで0.87%に迫りました。


 

マイクロソフト、セールスフォース、ボーイング、アップルなどがダウ平均の上昇に大きく寄与


史上最高値を更新したダウ平均は年初から先週末までに4238.72ドル上昇しましたが、30の構成銘柄のダウ平均に対する騰落寄与を見ると、マイクロソフトを筆頭に18銘柄がプラス寄与となり、シェブロンを筆頭に12銘柄がマイナス寄与となりました。


プラス寄与の上位は、マイクロソフトが+888.17ドル、セールスフォースが+881.51ドルとなり、2銘柄でダウ平均を約1770ドル押し上げました。

このほか、ボーイング、アップル、キャタピラー、ビザも300ドル以上のプラス寄与となり、この4銘柄合計の上昇寄与は約1550ドルとなりました。

プラス寄与上位6銘柄の合計は3319ドルとなり、上記6銘柄でダウ平均の上昇幅の78%を占めました。


一方、ダウ平均を最も押し下げたのは、シェブロンの-187.44ドルで、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の-139.66ドル、3Mの-89.57ドル、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンスの-73.42ドル、ユナイテッドヘルス・グループの-65.05ドルがそれに次いでいます。


 

単純平均株価方式のダウ平均は高株価銘柄がパフォーマンスに大きく影響


インテルは昨年末の26.43ドルから先週末の48.00ドルまで81.61%高となり、上昇率ランキングではセールスフォースの100.87%高に次いで第2位となりましたが、上昇寄与は+142.16ドルにとどまりました。


アップルは年初来で49.00%高となり、マイクロソフトの56.19%高に次いで上昇率4位となりましたが、ダウ平均に対する寄与では419.63ドルにとどまり、マイクロソフトの888.17ドルの50%以下の寄与となりました。


単純平均株価方式を採用するダウ平均では高株価銘柄の指数騰落寄与が大きくなります。

ユナイテッドヘルス、ゴールドマン・サックス、マイクロソフトなどの高株価銘柄が今後もダウ平均のパフォーマンスに大きく影響する一方、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス、ベライゾン、インテルなどの影響は限定的なものとなります。





 


国際金融情報部 アナリスト

羽土 美幸

富山県出身。国内証券で株式等の営業、仏系証券でポートフォリオ分析、転換社債、エクイティ・デリバティブの分析・開発・営業などを担当。 2014年からDZHフィナンシャルリサーチにおいて米国株式、金融市場レポート編集、海外ETF業務を担当。

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