先週はダウ平均、S&P500、ナスダック総合がそろって3週続伸
先週の米国市場では、ダウ平均が0.65%高、S&P500が1.06%高、ナスダック総合が0.94%高と主要3指数がそろって3週続伸。過去13週間では1月第1週を除く12週で3指数が上昇しました。
ダウ平均は週明け22日と週末26日に取引時間中の史上最高値を更新し、終値では22日、25日、26日の3日間で過去最高値を更新しました。
S&P500は前週19日から25日まで5日連続で終値の最高値を更新し、26日は取引時間中の史上最高値を更新しました。
年初来ではダウ平均が1.11%高、S&P500が2.54%高、ナスダック総合が2.96%高となりました。
米10-12月期GDP速報値が予想を大きく上回ったことで景気後退懸念が和らいだことや、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視する12月個人消費支出(PCE)価格指数が予想を下回り、インフレ鎮静化期待が高まったことが支えとなりました。
発表が本格化した第4四半期決算は、先週はS&P500採用の72銘柄が発表し、そのうち76%の55銘柄で調整後の一株当たり利益(EPS)が市場予想を上回りました。動画ストリーミングのネットフリックスは調整後EPSが市場予想を小幅に下回りましたが、売上高が予想を上回ったほか、ストリーミング会員数が予想を大きく上回ったことが好感され株価は週間で18.11%高と急伸しました。
このほか、決算や予想を上回る見通しが好感されたアメリカン航空、ユナイテッド・レンラルズ、レスメド、アメリカン・エキスプレスも週間で2桁高となりました。
一方、アーチャー・ダニエルズ・ミッドランドが不正会計疑惑で23.70%安と急落し、テスラも予想を下回る決算や弱い見通しが嫌気され13.60%安となりました。
決算発表銘柄はネットフリックスが急伸し、テスラが急落
米動画配信サービス大手のネットフリックスが1月23日引け後に発表した2023年第4四半期(10-12月)決算は、調整後EPSが2.11ドルと市場予想の2.22ドルを下回りましたが、売上高が前年同期比12.5%増の88億3300万ドルとなり市場予想の87億1900万ドルを上回りました。
有料ストリーミング会員数は過去最高の2億6028万人となり、前四半期比1312万人増加。市場予想の876万人増を大きく上回りました。
ネットフリックスの株価は1月24日の取引で一時、前日比70.11ドル高(+14.24%)の562.30ドルまで上昇し、52.68ドル高(+10.70%)の544.87ドルで終了。2週間ぶりに52週高値を更新しました。週間では18.11%高となり、年初来では17.16%高となりました。
米電気自動車のテスラが1月24日引け後に発表した2023年4四半期(10-12月)決算は、売上高が前年同期比3.49%増の251億7000万ドルとなりましたが市場予想の256億2000万ドルを下回りました。
純利益が同40%減の24億8400万ドルとなり、調整後EPSは0.71ドルと市場予想の0.74ドルを下回りました。
2024年通期についてはサイバートラックの生産に注力することにより、全体の売上高成長率が鈍化するとの見通しを示しました。
決算発表を受けてバークレイズは目標株価を250ドルから225ドルに引き下げました。ウェルズ・ファーゴも目標株価を223ドルから200ドルに引き下げ、ドイチェバンクは投資判断を「バイ」で据え置いたものの、目標株価を260ドルから250ドルに引き下げました。
テスラの株価は決算発表やアナリストの目標株価引き下げを受けて25日の取引で一時、前日比27.77ドル安(-13.36%)の180.06ドルまで下落し、25.20ドル安(-12.13%)の182.63ドルで終了。週間では13.60%安となり、年初来では26.25%安となりました。
今週はマイクロソフト、アルファベット、アップルなどハイテク・ジャイアントの決算に注目
決算発表を控えたハイテク・ジャイアントも総じて堅調に推移しました。米ソフトウェア大手マイクロソフトは1月30日の引け後に2024年度第2四半期(10-12月期)決算を発表しますが、先週は週間で1.32%高と4週続伸し、ほぼ連日で上場来高値を更新しました。時価総額は3兆ドルを上回り、アップルの2兆9800万ドルを抜いて時価総額首位となりました。
今週はマイクロソフトのほか、アルファベット、アップル、アマゾン・ドット・コム、メタ・プラットフォームズなどのハイテク・ジャイアントの決算発表が相次ぐほか、ゼネラル・モーターズ、ファイザー、スターバックス、ボーイング、クアルコム、エクソン・モービル、シェブロン、アッヴィなどS&P500の約100銘柄が発表予定で、決算や見通しに注目が集まっています。