2月は主要3指数がそろって4カ月続伸 ナスダックが2年3カ月ぶりに最高値を更新
2月の米国市場では、ダウ平均が2.2%高、S&P500が5.2%高、ナスダック総合が6.1%高とそろって4カ月続伸となりました。
月初は、総じて強い米1月雇用統計を受けて景気後退(リセッション)懸念が後退する中、好決算を発表したアマゾン・ドット・コムやメタ・プラットフォームズなどのハイテク・ジャイアントが大きく上昇し相場をけん引しました。
中旬は米1月消費者物価指数(CPI)が予想を上回ったことで、米10年債利回りが上昇し、米連邦準備理事会(FRB)による年内複数回の利下げ見通しが大きく後退したことが重しとなりました。
しかし、下旬は予想を上回る決算や強い見通しを発表した半導体大手のエヌビディアが急伸し、ハイテク株の上昇をけん引したほか、出遅れ感の強いディフェンシブ株も上昇するなど全面高となりました。
昨年12月中旬から史上最高更新の更新が続くダウ平均は月初も高値更新を続け、下旬も再び高値を更新し、39000ドルを上回りました。
S&P500も20営業日中、8営業日で史上最高更新。上旬に5000ポイントの大台に乗せ、下旬には5100ポイントを上回りました。
2021年11月に終値で16057.44ポイントの最高更新を付けたナスダック総合は月末29日に16091.92ポイントで終了し、2年3カ月ぶりに終値の最高値を更新しました。
年初来では、ダウ平均が3.5%高、S&P500が6.8%高、ナスダック総合が7.2%高となりました。
第4四半期決算後半戦は総じて好調 エヌビディアが急伸
1月中旬からスタートした第4四半期決算は、2月はS&P500採用の309銘柄が発表を終え、そのうち76%の235銘柄で調整後一株当たり利益が市場予想を上回りました。
予想を上回る大幅増収増益決算や強い見通しを発表したエヌビディアが月間で28.6%高と急伸し、年初来では59.8%高となりました。
メタ・プラットフォームズも予想以上の増収増益決算や株主還元が好感され、月間で25.6%高となりました。
このほか、ラルフ・ローレン、アプライド・マテリアルズ、タペストリー、ウーバー・テクノロジーズなども月間で20%超上昇し、NXPセミコンダクターズ、イーライ・リリー、ウォルト・ディズニー、イーベイ、アマゾン・ドット・コム、デュポン・ド・ヌムール、チポトレ・メキシカン・グリル、ベストバイ、ウィン・リゾーツ、キャタピラーなども決算や見通しが好感され月間で10%超上昇しました。
一方、動画ストリーミングの苦戦が嫌気されたパラマウント・グローバルが月間で24.3%安となったほか、ワーナー・ブロス・ディスカバリー、バイオジェンなども決算や弱い見通しが嫌気され月間で2桁安となりました。
セクター別では全11セクターが上昇
業種別では、2月はS&P500の全11セクターが上昇しました。上昇率上位は、一般消費財が8.6%高、資本財が7.0%高、素材が6.3%高、ITが6.2%高、コミュニケーションが5.7%高となり、S&P500の5.2%高をアウトパフォームしました。一方、公益が0.5%高、生活必需品が2.1%高となり、ディフェンシブ・セクターが小幅高にとどまりました。
年初来ではコミュニケーションが10.8%高、ITが10.3%高となったほか、金融が7.0%高となりS&P500の6.8%をアウトパフォームしました。一方、公益、不動産の2セクターが年初来で2.5%安とマイナス圏にとどまりました。
ダウ平均採用銘柄は17銘柄が上昇し、13銘柄が下落
ダウ平均採用銘柄は、2月は月間で20銘柄が上昇し、10銘柄が下落しました。
予想を上回る決算や強い見通しが好感されたウォルト・ディズニーが16.2%高となったほか、2月26日付けでダウ平均に採用されたアマゾン・ドット・コムも予想を上回る増収増益決算を発表し13.9%高となりました。
キャタピラーは利益率が大きく改善したことが好感され連日で上場来高値を更新。月間では11.2%高となりました。
このほか、セールスフォース、アメリカン・エキスプレス、ホーム・デポ、JPモルガン・チェース、ウォルマートも6-9%上昇し、ダウ平均の2.2%高を大きくアウトパフォームしました。
一方、アムジェンは決算が予想を上回りましたが、ホライゾン・セラピューティクスの巨額買収費用負担が嫌気され、月間で2桁安となりました。