NYマーケットダイジェスト・16日 株底堅い・金利上昇・原油安・円安

(16日終値)

ドル・円相場:1ドル=134.22円(前営業日比△0.90円)

ユーロ・円相場:1ユーロ=136.50円(△1.02円)

ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0171ドル(△0.0011ドル)

ダウ工業株30種平均:34152.01ドル(△239.57ドル)

ナスダック総合株価指数:13102.55(▲25.50)

10年物米国債利回り:2.80%(△0.01%)

WTI原油先物9月限:1バレル=86.53ドル(▲2.88ドル)

金先物12月限:1トロイオンス=1789.7ドル(▲8.4ドル)


※△はプラス、▲はマイナスを表す。


(主な米経済指標)       <発表値>     <前回発表値>

7月米住宅着工件数        144.6万件     159.9万件・改

建設許可件数          167.4万件     169.6万件・改

7月米鉱工業生産指数(前月比)   0.6%       0.0%・改

設備稼働率            80.3%       79.9%・改


※改は改定値、▲はマイナスを表す。


(各市場の動き)

・ドル円は反発。みずほ銀行が日銀に預けている当座預金の一部にマイナス金利が適用されていたことが伝わると、全般円売りが先行。米10年債利回りが一時は2.86%台まで上昇したことも相場の支援材料となり、一時134.68円と日通し高値を更新した。

 ただ、対ユーロなどでドル売りが強まると134.17円付近まで下押しした。米10年債利回りが上昇幅を縮小したことも相場の重し。


・ユーロドルは3日ぶりに小反発。欧州時間発表の8月独ZEW景況感指数が予想を下回ったことを受けて、20時30分過ぎには一時1.0123ドルと日通し安値を付けた。市場では「天然ガス価格の上昇基調が続く中、ユーロ圏景気の悪化が懸念されてユーロ売りが出やすい」との声も聞かれた。

 ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。欧州金利の上昇を手掛かりにユーロ買い・ドル売りが優勢になると、24時前に一時1.0195ドルと日通し高値を付けた。もっとも、そのあとは欧州のエネルギー調達を巡る警戒感から欧州経済の先行き懸念が意識されて、再び上値が重くなった。


・ユーロ円は3日ぶりに反発。ユーロドルの持ち直しにつれた買いが入ったほか、「みずほ銀にマイナス金利適用」との報道が円売りを促し、24時前に一時136.92円と日通し高値を更新した。ただ、NY午後に入るとドル円やユーロドルの伸び悩みにつれて上値が重くなった。


・米国株式市場でダウ工業株30種平均は5日続伸し、4月21日以来約4カ月ぶりの高値となった。好決算を発表したウォルマートとホーム・デポが大幅に上昇し、2銘柄でダウ平均を134ドルほど押し上げた。ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスやナイキなど消費関連株も買われた。半面、米長期金利の上昇を受けてハイテク株には売りが出た。

 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに反落。前日に約4カ月ぶりの高値を付けたあとだけに利益確定目的の売りが出た。


・米国債券相場で長期ゾーンは3日ぶりに反落。明日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(7月26-27日分)を前にポジション調整目的の売りが出たものの、米インフレのピークアウト観測が支えとなり下値は限られた。


・原油先物相場は3日続落。一時90ドル半ばまで反発していたWTI原油先物相場だが、欧州連合(EU)が核合意に関するイランの返答について「建設的」としたことが報じられたことで急落した。イラン産原油の市場回帰期待が原油価格の重しになり、85ドル後半まで一時下落し3日続落して引けた。


・金先物相場は続落。欧米金利が上昇したこともあり、金利のつかない金先物は軟調な動きを見せ小幅に続落した。NY午前に欧州通貨に対してドルが売られると、買い戻しが入る場面もあったが上値が重く前日引け値を超えることはできなかった。

為替情報部 アナリスト

中村 知博

鹿児島出身。2007年国際金融情報サービス会社に入社。 外国為替取引会社・金融機関への24時間リアルタイム金融情報サービスの為替記者として従事。市場動向や見通しなどを解説する動画サービスの業務も経験。 2017年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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