物価の上昇が続き、将来の生活費への不安の声を聞くことが増えました。ライフプランを立てる際にも、以前なら物価上昇率を考慮せずに作成していましたが、最近では物価上昇率と金融資産の運用率を計算に入れたキャッシュフロー表を作る機会が多くなっています。
2025年12月末のiDeCo加入者は382万人超、8.1%増
老後の生活資金のインフレヘッジとして、iDeCo(個人型確定拠出年金)は選択肢のひとつといえるでしょう。
国民年金基金連合会(国基連)によると、2025年12月時点のiDeCoの加入者は、全体で約382万人余りとなりました。前年12月に比べ、8.1%増加しています。掛金の拠出をせずに資産の運用の指図だけを行っている「運用指図者」は約110万人で、前年同月から12%増えました。
iDeCoは、公的年金制度の被保険者種別によって4つの加入区分に分けられており、2025年12月時点の加入者は以下の通りです。
<第1号加入者>国民年金の第1号被保険者:約39.1万人
20歳以上60歳未満の自営業者とその家族、フリーランス、学生など
<第2号加入者>国民年金の第2号被保険者:約327.0万人
会社員や公務員等の厚生年金の被保険者(企業型のマッチング拠出者、事業主掛け金を年単位で拠出している人は対象外)
<第3号加入者>国民年金の第3号被保険者:約15.1万人
国民年金の第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者
<第4号加入者>国民年金の任意加入被保険者:約1.3万人
第2号加入者はさらに、勤務先の企業年金制度の有無と、公務員などの共済年金加入者との3つに区分されます【グラフ1】。企業年金制度のない会社員が約195.6万人で、全加入者の半数を占めています。企業年金のある会社員は約57.8万人、共済年金加入者は約73.7万人となっています。

2024年の改正で会社員のiDeCo加入者が増加
次の【グラフ2】は、iDeCoの加入者数の推移です。直近の2025年度は12月時点の加入者数です。

2024年10月に、企業型確定拠出年金(DC)加入者のiDeCo加入要件が緩和され、加入者数増加に弾みを付けました。
掛金額は「コツコツ少額派」と「税制優遇最大限活用派」の二極化
【グラフ3】は、加入者区分ごとの掛金額の分布です。

個人事業主やフリーランサー(第1号加入者)、そして企業年金制度のない職場に勤める第2号加入者は、企業年金のある会社員よりも自助努力が求められます。拠出限度額が高く設定されているのはそのためです。
第1号加入者の掛金は、「コツコツ少額派」と「税制優遇最大限活用派」に二極化しています。最も多い掛金額の階層は、月額1万円未満で第1号加入者の24.8%を占めています。次は1万円~1.5万円未満が19.8%。iDeCoの運用資産は60歳以降でないと引き出すことができません。生活に支障のない、無理のない掛金額設定が多い一方で、6.5万円以上の掛金の人も3番目に多く、19.5%と2位に肉薄しています。
第2号、第3号加入者の中で最も多かったのは、2万円以上の層です。第2号加入者では、掛金の拠出限度額やそれに近い人が57.3%を占め、第3号加入者でも44.4%に上ります。
なお、2026年12月に予定されている改正では、第1号加入者と第2号加入者の拠出限度額が引き上げられることになっています。
iDeCoの掛金の拠出額は月々5,000円以上1,000円単位です。毎月ではなく、年1回以上の加入者自身が決めた月にまとめて拠出することもできます。掛金額は1年に1回変更可能で、状況に応じて無理なく利用できる制度設計になっています。
iDeCoは今後予定されている上限引き上げも含め、改正が重ねられ制度面での進化が続いています。最新データを踏まえ、自身の年金加入区分や家計状況を確認し、無理のない形で活用を検討することが、将来の安心につながるでしょう。
【参考】
iDeCo公式サイト「業務状況」



