先週はS&P500とナスダック総合が5週ぶりに反落
先週の米国市場では、ダウ平均が0.2%安と小幅に反落し、S&P500が1.2%安、ナスダック総合が2.6%安とともに5週ぶりに反落しました。
週前半は予想を上回る決算を発表したウォルマート、ホーム・デポが大幅に上昇し相場をけん引しましたが、ターゲットの利益が予想を大きく下回ったことで反落すると、米連邦準備理事会(FRB)高官から積極的な利上げ継続を支持する発言が相次いだことで週後半に売りが優勢となりました。
終盤を迎えた米企業の第2四半期決算は、先週はS&P500の20銘柄が決算を発表し、そのうち18銘柄で調整後一株当たり利益が市場予想を上回りました。
決算が好感されたプログレッシブ・コープが4.7%高、シスコ・システムズが4.5%高、ウォルマートが3.6%高、タペストリーが3.2%高となったほか、ロウズ、ホーム・デポなども2%超上昇しました。
一方、決算が嫌気されたアナログ・デバイセズ、アプライド・マテリアルズ、バス&ボディ・ワークス、ターゲットなどが3-6%下落しました。
ウォルマートの第2四半期決算は売上高、利益ともに予想を上回る
総合小売り大手の米ウォルマート・ストアーズが8月16日寄り前に発表した2023年度第2四半期(5-7月)決算は、売上高が前年同期比8.4%増の1528億5900万ドルとなり市場予想の1508億700万ドルを上回りました。
純利益が同20.4%増の51億4900万ドルとなり、調整後の一株当たり利益は1.77ドルと市場予想の1.62ドルを上回りました。燃料を除く米国内の既存店売上高は前年同期比6.5%増となり、市場予想の5.9%増を上回りました。
2023年度通期見通しについては、第2四半期の好調を理由に、営業利益(調整後)を従来の前年比11-13%減から9-11%減へと引き上げ、通期の調整後一株当たり利益についても9.0-10.0%減とした従来の見通しを、8.0-10.0%減へと下限を引き上げました。
7月に引き下げた通期利益見通しを引き上げたことも好感
ウォルマートは8月16日の決算発表に先立つ7月26日に、2022年度第2四半期(5-7月)と2022年通期の業績下振れ警告を発表しました。
物価高騰の影響により、消費者が家電やアパレルへの支出を減らし、食品などの生活必需品により多くを支出していることで、売れ残り商品の積極的な値下げが必要となっているとし、第2四半期の調整後一株当たり利益を横ばい-小幅増加とした従来の見通しを、8-9%減に引き下げ、通期の営業利益については約1%減とした見通しを11-13%減へと大幅に引き下げました。
利益警告を受けて株価は7月26日の取引で前日比7.6%安の121.98ドルと大幅安となりましたが、5月20日の52週安値を割り込みませんでした。
株価はその後も7月26日の水準を上回って推移し、第2四半期決算が市場予想を上回ったことや、通期利益見通しを再び引き上げたことで、8月17日には一時142.72ドルと5月16日以来の水準まで上昇しました。
週間では3.6%高と2週続伸し、年初来の下落率は5.3%に縮小しました。