2日のNY株式相場は下落。注目された米8月雇用統計で失業率が悪化したことや平均賃金の伸びが予想を下回ったことで9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での大幅利上げ見通しがやや後退し、主要3指数はそろって大幅に上昇してスタートした。
しかし、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ抑制のために長期にわたって利上げを継続するとの見方や、ロシア国営の天然ガス会社ガスプロムが欧州向けパイプラインの再開を延期すると発表し、欧州を中心に世界的景気悪化懸念が強まったことで投資家心理が悪化。
9月の株安アノマリーが意識されたことも相場の重しとなった。
ダウ平均は朝方に370ドル高まで上昇したものの、終盤に474ドル安まで下落し、337.98ドル安(-1.07%)と反落して終了。
S&P500も1.3%高まで上昇後、1.07%安と反落した。
ハイテク株主体のナスダック総合は1.36%高まで上昇後、1.31%安で終了し、2019年8月以来の6日続落を記録した。
週間では、ダウ平均が964.96ドル安(-2.99%)、S&P500が3.29%安、ナスダック総合が4.21%安とそろって3週続落となった。
S&P500の11セクターは、エネルギーが唯一上昇し、コミュニケーション、不動産、ヘルスケア、生活必需品、IT、公益など10セクターが下落。
ダウ平均採用銘柄は、シェブロン、セールスフォース、ウォルグリーンが上昇し、3M、ハネウェル、プロクター・アンド・ギャンブルなど27銘柄が下落した。
寄り前に発表された米8月雇用統計は、非農業部門雇用者数(NFP)が31.5万人増となり前月分の52.6万人増から減少したものの、市場予想の30.0万人増を上回った。
しかし、失業率は前月分の3.5%から3.7%に悪化し、予想の3.5%も上回った。平均賃金は前年比+5.2%、前月比+0.3%となり、それぞれ予想の+5.3%、+0.4%を下回った。
失業率の悪化と弱い賃金の伸びを受けて、米10年債利回りは前日の3.265%から3.195%に低下。CMEのフェド・ウォッチが示す9月FOMCでの0.75%の利上げ確率は前日の75%から56%に低下した。