2024年に始まった新NISA制度の浸透により、日本人の「貯蓄から投資へ」という動きはかつてない広がりを見せています。2025年には日経平均株価が史上初めて5万円台に到達し、長期金利も2%を超えるなど、金融市場は大きな転換点を迎えました 。
そうしたなか、大和アセットマネジメントは3月2日、「資産形成白書2026」を発表しました。報告書では独自のアンケート調査に基づき、投資を躊躇させる要因を「投資家への壁」と定義し、性格特性(ビッグファイブ)などの心理的側面からその正体を探っています。特に女性や不安を感じやすい層へのサポートの重要性を説き、経済的自立や老後の豊かさを実現するための具体的な道筋を提示しています。
しかし、投資を始める人が増える一方で、関心はありながら一歩を踏み出せない「未投資者」との間には、将来的な資産格差という新たな懸念も生じています 。独自アンケートから見えてきた「投資家への壁」の正体と、家計資産の変化、そしてNISA口座を開設したものの活用できていない「未稼働口座」の実態について解説しています。
なぜ投資に踏み切れないのか?「投資家への壁」とは
資産形成白書では、1万人規模のアンケートを通じて「最近投資を始めた人(投資初心者)」と「投資に関心はあるが始めていない人(未投資者)」の違いを詳しく分析しています 。
性格や価値観が与える影響
心理学の性格特性モデル「ビッグファイブ(Big Five)」を用いた分析によると、投資を始めた人は未投資者に比べて「開放性(新しい経験への関心)」が高く、「神経症傾向(不安の感じやすさ)」が低い傾向にあります 。つまり、新しい仕組みを面白がり、過度にリスクを恐れない気質が、投資を始める際の後押しになっていると考えられます。
また、お金に対する価値観も重要です。「投資はギャンブルに近い」と考える層は未投資者に多く、逆に「投資は社会貢献や将来への備え」と捉える層はスムーズに投資へと移行しています。
周囲の環境という「見えない背中」
本調査で最も顕著だった違いの一つが、家族の状況です。投資初心者の50.5%が「家族の中に投資をしている人がいる」と回答したのに対し、未投資者では31.5%に留まりました 。身近に投資経験者がいることで、投資が特別なことではなく「日常的な会話のテーマ」になり、心理的なハードルが下がっている様子が伺えます。

※白書をもとにイメージ作成
金利上昇と新NISAが変えた「家計の守り方」
長らく続いた低金利時代が終わり、金利上昇局面に入ったことで、日本人の資産構成にも変化が現れています。
年代で異なる投資資金の作り方
新NISAの活用にあたって、投資資金をどこから捻出しているかを調べると、年代ごとに明確な特徴が見られました 。
- 50代・60代以上:既存の「預貯金」を投資に振り替える傾向が強く、資産の組み換え(リバランス)が中心です 。
- 20代・30代:預貯金を取り崩すのではなく、「収入の増加」や「支出の削減」によって投資資金を捻出している割合が高いのが特徴です 。
若い世代ほど、現在のキャッシュフローの中から投資枠を確保しようとする「積み立て型」の思考が浸透していることが分かります。
資産構成の多様化
かつては「現預金一辺倒」だった家計も、新NISAの導入以降は株式投資信託やMMF(マネー・マネジメント・ファンド)への資金流入が加速しています 。特に2025年に金利が上昇したことで、元本確保型の商品だけでなく、金利の恩恵を受けられる金融商品への関心も高まりました 。
NISA口座が「眠ったまま」になっていませんか?未稼働口座の実態
せっかくNISA口座を開設したものの、一度も買い付けをしていない、あるいは最近利用していない「未稼働口座」が少なくありません。白書では、この「口座はあるのに投資していない」層の背景を深掘りしています 。
なぜ口座は動かないのか
アンケートの結果、未稼働の主な理由として以下の点が挙げられました 。
- 金融機関に勧められて開設しただけ:自分から望んで作ったわけではなく、窓口での勧誘がきっかけだった層(約28.7%)は、活用方法が分からず放置されがちです 。
- 投資のタイミングを待っている:株価が高いと感じて「安くなるまで待とう」と考えているうちに、時間だけが過ぎてしまうケースです。
- 知識不足への不安:口座は作ったものの、具体的にどの商品を選べばよいか分からず、手続きの煩雑さを前に立ち止まってしまっています。
「とりあえず開設」から「最初の一歩」へ
未稼働口座を保有している人の多くは、投資の必要性は感じています。しかし、具体的な行動指針がないために、心理的な「後回し」が発生しています。白書では、少額からでも「まずは買ってみる」という体験が、未稼働状態を脱する最大の鍵であると示唆しています。
これからの資産形成に求められるもの
「資産形成白書 2026」が示すのは、単なる投資ブームの解説ではありません。投資をする人としない人の間で、将来的に回復困難なほどの資産格差が生まれるリスクへの警鐘です 。
「お金の話をすることは下品である」という古い価値観を脱却し、家族や友人とオープンに情報交換を行うことが、投資の「壁」を低くするための第一歩となります 。制度が整い、市場環境が動いている今だからこそ、自分自身の性格や環境を客観的に見つめ直し、自然体で資産運用に向き合う姿勢が求められています。
投資は、限られた資産家だけのものではありません。将来の豊かな生活を実現するための「誰にでも開かれた手段」として、より多くの人がその恩恵を享受できる社会の実現が期待されます。
※上記の記事は一部に生成AIを利用しています。不確実な表現や予期しない結果が表示される場合があります。 投資に関する最終的な決定は利用者ご自身の確認をお願いします。



