ワールドカップ26開幕
米国・カナダ・メキシコと、史上初の3カ国で開催するサッカーFIFAワールドカップ26が12日に開幕しました。今回のワールドカップは出場国が48チームに増え、市場最大規模で行われる4年に一度のサッカーの祭典となっています。開幕戦でメキシコは南アフリカと対戦し、2対0で勝利しています。
ワールドカップと為替
ワールドカップで勝利した国の通貨が買われる合理的な根拠は全くありませんが、「勝利した国の通貨が買われる」と考える人が多ければ本当に勝った国の通貨が上昇します。実際、ワールドカップで注目の試合後、勝った国の通貨が買われたこともしばしばあります。
美人投票
経済学者ケインズが「雇用利子および貨幣の一般理論」で紹介した株価形成理論。美人投票で、優勝者に投票した者に賞金を与えることになった場合、自分が美人だと思う女性ではなく、投票者全体の平均的な好みである女性に投票する。誰が美人かではなく、多数の人が誰を美人と思うかを当てるのが株式投資の本質という考え方。
開催国と自国通貨
米国とドル
米国は世界最強の経済・軍事大国で、世界の政治・経済に多大な影響を与えています。トランプ氏の第2次政権が発足後、同氏の理不尽な関税政策や外交などで、米国の信認低下やドル離れの動きも見られています。
2月末にトランプ米政権がイランへの攻撃を開始した以後、「有事のドル買い」が見られ、エネルギー価格の上昇や最近の米経済指標の良好な結果を背景に、ドルは堅調な動きとなっています。
来週の連邦公開市場委員会(FOMC)では政策金利の据え置きが見込まれるが、インフレ高懸念で今後の金融政策で利下げ観測はなくなり、今のところ年末から来週早目の段階で利上げに踏み切るとの思惑が高まっており、ドルの底堅い動きが続きそうです。リスクとしてはやはり常識を外しているトランプ米大統領の言動や政策になるでしょう。
カナダと加ドル
カナダは世界有数の産油国で、加ドルは原油価格の動向に影響される時が多くあります。イラン戦争による原油高は加ドルの支えになるも、ドル高やカナダの景気減速懸念などで、最近の加ドルは対ドルで約7カ月ぶりの安値をつけています。
カナダ景気の低迷は、米国向け輸出の鈍化、トランプ関税による企業投資の抑制、住宅市場の低迷などが挙げられます。現状では、米国の関税と通商政策の不確実性がカナダ経済の最大のリスクとして認識されています。加ドルは当面、上値の重い動きが続きそうです。
カナダ中銀(BOC)は今週、政策金利の据え置きを決定しました。カナダは「景気減速」と「インフレ再加速リスク」が同時に存在する難しい局面にあり、今後の政策金利は据え置きがメインシナリオとなるも、景気悪化なら利下げ、インフレ懸念の高まりなら利上げと利上げ・利下げの双方の可能性を残しています。
メキシコとメキシコペソ
今年のメキシコ経済はやや減速傾向です。高金利通貨のペソはイラン戦争が勃発した後、対ドルで一時下落するも、最近は下げ渋っています。対円では今週、年初来高値を更新するなど円安基調も支えにしっかりした動きとなっています。
メキシコ経済にとっては、高金利の長期化、関税リスクなどが重しとなっている一方で、米企業が中国依存を減らしメキシコ投資を増やしているのは支援材料と言えます。
メキシコ中銀は5月会合では2会合連続で利下げを行ったが、利下げサイクルの終了を明言し、現行水準の維持が適切と表明して物価安定を重視するタカ派姿勢を示しました。米国との良好な関係に加え、中銀のタカ派転換がペソの下支えとなりそうです。
米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)
今回、開催国となる米国・メキシコ・カナダはUSMCA協定を結んでいます。USMCAは3カ国で結ばれた新しい自由貿易協定で、旧NAFTAを2020年7月に置き換え、関税撤廃に加えて自動車・農産品・デジタル貿易・労働・環境ルールなどを現代化した協定です。
3カ国は7月1日に2020年のUSMCA発効後初めて「共同見直し」の会合を開く予定で、延長に合意すれば協定は42年まで継続するが、トランプ氏は本音かディール目的なのか定かではないが、「更新するつもりはない」「更新するかどうか分からない」と消極的な姿勢を示しています。USMCAは、カナダ・メキシコ経済に大きな影響を与えています。





