【米国株インサイト】リーバイストラウス、DTC戦略奏功で好業績

リーバイストラウス、通期見通しを上方修正

ジーンズの世界的大手リーバイストラウス(LEVI)が発表した2026年3-5月期決算は、売上高が前年同期比8%増の15億6200万ドル、純利益が30%増の8730万ドルとなりました。非GAAPベースの調整後EPS(1株利益)は0.28ドルで、LSEGがまとめた市場予想の0.24357ドルを15.0%上回っています。好決算の主因は、同社が強力に推し進める「DTC(消費者直接取引)ファースト」の戦略です。


Eコマースや直営店での販売を含むDTC部門の売上高は、米国で5%増、欧州とアジアでそれぞれ12%増を記録し、全体で11%増えました。総売上高に占めるDTC比率は51%と過半に達し、収益構造の変化が鮮明になっています。また、販売単価の引き上げと製品コストの低下が寄与し、粗利益率は前年同期の61.7%から62.7%へと上昇しました。



ミシェル・ガス最高経営責任者(CEO)は、ガソリン価格の上昇といった経済的圧力の中でも、中核となる消費者の需要が堅調であるとの見方を示しています。売上成長の約3分の2が販売数量の増加によるもので、単なる値上げに頼らない健全な需要が示されていると説明しています。ブランド別では、主力の「リーバイス」に加え、ヨガウェアの「ビヨンド・ヨガ」が16%増、高級ラインの「シグネチャー」も好調を維持しており、ライフスタイルブランドとしての多角化が成長を後押ししています。


株主還元についても積極的で、四半期配当を前年同期比14%増の1株当たり0.16ドルに引き上げると発表しました。また、2025年12月-2026年2月期に開始した2億ドルの自社株買いプログラムも継続中です。



決算発表に合わせて、2026年11月通期決算のガイダンスも上方修正しました。売上高成長率は従来の5.5%-6.5%増から7.0%-7.5%増、調整後EPSは1.42ドル-1.48ドルから1.46ドル-1.52ドルへとそれぞれ引き上げています。同社は、DTCへの移行による収益性の向上と、強固なブランド力を背景とした市場シェアの拡大が、年度後半も継続すると自信を深めています。


プライスマート、プラチナ会員増加で1割強の増収増益

中南米やカリブ海地域で会員制の倉庫型小売店を展開するプライスマート(PSMT)が発表した2026年3-5月期決算は、売上高が前年同期比12%増の14億8200万ドル、純利益が13%増の4000万ドルでした。1株当たり利益(EPS)は1.28ドルとなり、市場予想の1.19ドルを7.6%上回っています。


好業績を支えたのは、強固な会員基盤です。2026年5月末時点の会員口座数は前年同期比9%増の214万口座に達しました。特に特筆すべきは会員のロイヤリティーで、12カ月間の会員更新率は過去最高の91%を記録しています。また、上位区分であるプラチナ会員の割合が会員全体の21%(前年同期は16%)に拡大し、会費収入は18%増えています。



地域別の動向では、主要市場である中米が11%増えた上、コロンビアが通貨高や取引件数の増加を背景に35%増と飛躍的な伸びを見せました。事業モデルとしては、高効率なサプライチェーンと自社ブランド「メンバーズ・セレクション」を通じた高い付加価値の提供を強みとしています。


デジタルトランスフォーメーション(DX)への投資も加速しています。デジタルチャネル経由の売上高は26%増の9960万ドルに達し、ネット商品販売の7%を占めるまでに増えました。現在はRELEX社のサプライチェーン管理ソフトや東芝テックのPOSシステム「Elera」の導入を進めており、在庫管理の最適化とチェックアウト時間の短縮を通じた一段の効率化を目指しています。


今後の成長戦略としては、店舗網の拡大を掲げています。現在、ジャマイカやコスタリカに加え、新たに有望な市場と位置づけるチリへの進出を含む計6店舗の新規出店を計画しています。これらが完了する2027年には総店舗数が現在の57店舗から63店舗に拡大する見込みです。



中国株情報部

島野 敬之

出版社を経て、アジアの経済・政治情報の配信会社に勤務。約10年にわたりアジア各国に駐在。 中国株二季報の編集のほか、個別銘柄のレポート執筆を担当する

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