フジ・メディア・ホールディングスは、テレビ・ラジオなどの放送事業を中心に、動画配信や映画、不動産など幅広い事業を展開する総合メディア企業です。近年は不祥事によるスポンサー離れなど厳しい状況が続きましたが、こうした逆風の中でも高配当を維持しています。
高配当を維持できている背景には、放送事業だけに依存しない収益構造と、株主還元を重視する姿勢があります。不祥事によって広告収入が落ち込んだ一方、不動産やコンテンツ事業が収益を下支えしています。
フジ・メディア・ホールディングス(4676)
フジ・メディア・ホールディングス(以下、フジ・メディア)は、地上波放送局「フジテレビジョン」をはじめ、ラジオ「ニッポン放送」やBS放送「BSフジ」などを傘下に持つ認定放送持株会社です。
「楽しくなければテレビじゃない」をキャッチコピーに掲げ、「志村けんのバカ殿様」や「ネプリーグ」などのバラエティ番組、「サザエさん」や「ワンピース」などのアニメ、スポーツ中継、映画、ドラマ、情報番組まで様々な番組を制作しています。
また、音楽・映像ソフト「ポニーキャニオン」や動画配信サービス「FOD」などのコンテンツ事業、オフィス・商業ビルの「サンケイビル」や通販・EC販売「ディノス」などのグループ会社も束ねており、総合メディアグループとしての多角化が進んでいます。
フジ・メディアの業績
2026年度の売上高は約5520億円、営業利益は約88億円の赤字となりました。直近5年間では、売上高はほぼ横ばいで推移している一方、営業利益は2025年度から2026年度にかけて大きく悪化しました。
2027年度は売上高が約6260億円の増収、営業利益は約400億円の黒字転換となる予想です。前年度に赤字だった営業利益は、今期は黒字に転換する見込みです。
フジ・メディアの不祥事
フジ・メディアの業績が2025年度から2026年度にかけて大幅減益している背景には、元SMAPの中居正広さんと元フジテレビ女性アナウンサーとのトラブルが影響していると考えられます。
このトラブルでは、フジテレビ幹部の対応が不適切だと認定され、記者会見では説明不足が批判され、フジテレビの会長と社長が引責辞任する事態に発展しました。さらには、75社のスポンサーがCMを停止したことで、業績の悪化や株価への影響など、グループ経営に大きな影響を与えました。
フジ・メディアの株価
2026年8月時点の株価は約4100円です。2019年に約1600円だった株価は、2020年に900円台まで下落しました。株価下落の背景には、新型コロナウイルスの感染拡大による広告収入の減少や、それに伴う業績悪化があったと考えられます。
その後、2022年にかけて約1000円前後で低迷しましたが、2023年頃から緩やかに上昇し始め、2024年には約2000円まで回復、2025年以降さらに上昇を続け、2026年4月には一時約4400円の高値を記録しました。
不祥事後も株価が上昇した理由は?
2025年以降も株価が上昇した背景には、放送事業以外の収益基盤、不動産事業への評価、経営改革への期待、株主還元の強化など複数の要因があると考えられます。
特に、広告収入に依存しない事業を持っていることから、不祥事による放送事業の一時的な悪化だけで企業価値全体が大きく損なわれるとは判断されなかった可能性があります。
フジ・メディアの株主優待
フジ・メディアの株主優待は、100株以上保有する株主に対し、毎年9月末の権利確定日にオリジナル手帳が、3月末の権利確定日に特製クオカードや動画配信サービス「FOD」3ヶ月無料視聴などが贈呈されます。
映画や動画コンテンツを利用する機会が多い人にとっては、配当金に加えてこうした優待を受けられる点も魅力です。
また、保有株数および保有年数に応じて贈呈される株主優待内容が異なります。贈呈される株主優待の内容の詳細は、下記の一覧表をご確認ください。

フジ・メディアが高配当を維持できる理由
2027年度の配当金は、9月末の中間配当が100円、3月末の期末配当が100円で、年間1株当たり200円となる予想です。2024年度の48円から3期連続で増配する見込みとなっています。
増配を維持している背景として、配当を含む株主還元を重視していることに加え、放送事業以外の事業で安定収益を持っていることが挙げられます。特に不動産事業と観光事業は好調で、広告収入が落ち込んだ局面でもグループ全体の収益を支えています。
一方で、配当金は業績や財務状況などによって変更される可能性があります。現在の高配当だけを見て判断するのではなく、今後の利益回復や経営改革の進捗を確認することが重要です。
フジ・メディアの利回り
1株4100円で100株購入した場合、投資金額は41万円になります。年間の配当金額は2万円となり、配当利回りは約4.9%です。
なお、各年度の平均株価から算出した配当利回りの実績は、2023年度は約4.5%、2024年度は約3.1%、2025年度は約2.6%、2026年度は約3.7%でした。

フジ・メディアの将来性
フジ・メディアは、不祥事による逆風の中でも、不動産やコンテンツ事業が収益を支えています。今後は、経営改革や広告収入の回復による業績改善が期待されます。また、高配当や株主優待も魅力ですが、業績次第では減配や優待変更の可能性もあるため、株価や配当利回りだけでなく、事業の回復状況を確認することが大切です。


