【米国株インサイト】業績上振れ銘柄:パランティア、「異次元」の好業績 AI主権の需要増

パランティア・テクノロジーズ、米国民間部門の急成長続く

パランティア・テクノロジーズ(PLTR)が発表した2026年4-6月期決算は売上高が前年同期比93%増の19億3500万ドル、純利益が3.3倍の10億6200万ドルでした。調整後のEPS(1株利益)は0.41ドルとなり、LSEGがまとめた市場予想の0.3475ドルを18.0%上回っています。


米国事業の売上高が115%増の15億7300万ドルに達し、業績をけん引しました。特に民間部門が149%増の7億6400万ドルと急成長し、全体を押し上げています。政府部門は90%増の8億900万ドルとこちらも大きく伸びましたが、民間部門の勢いがすさまじく、米国事業の売上高に占める民間部門の割合は前年同期の42%から49%に上昇しています。



大口顧客も増えており、100万ドルを超える取引が40%増の220件、500万ドル超が48%増の98件、1000万ドル超が74%増の98件に達しました。


米国民間部門の先行指標では2026年4-6月期に獲得した契約総額(TCV)が153%増の21億3200万ドル、売上未計上の残存契約価値(RDV)が124%増の62億3800万ドルです。売上高に対する受注残が極めて高い水準に達しています。


アレックス・カープ最高経営責任者(CEO)は今回の業績について「異次元」とコメントしています。好業績の要因については「人工知能(AI)主権への需要が本格的に顕在化した」と説明し、顧客が自前でデータやAIを管理する需要が高まっているとの見方を示しました。また、「顧客の競争優位性が将来のAIモデルを学習させるためのトレーニングデータになってはならない」と指摘し、AI主権の重要性を重ねて強調しています。



決算発表時のガイダンスでは2026年12月通期の売上高見通しを81億5000万-81億5800万ドルに設定し、このうち米国商業部門が少なくとも134%増えて34億2400万ドルを上回ると予想しています。従来は売上高見通しが76億5000万-76億6200万ドル、米国商業部門が120%増の32億2400万ドルで、好業績を背景に上方修正に踏み切りました。


調整後営業利益は48億8900万-48億9700万ドルと想定し、こちらも従来の44億4000万-44億5200万ドルから上方修正しています。


2026年7-9月期については売上高を21億6000万-21億6400万ドル(前年同期の実績は11億8100万ドル)、調整後営業利益を12億9200万-12億9600万ドル(同6億100万ドル)と予想しています。


スペースX、AIとスターリンクが急成長

スペースX(SPCX)が発表した2026年4-6月期決算は売上高が前年同期比92%増の78億1400万ドル、純損失が5億4100万ドル(前年同期は10億800万ドルの純損失)となりました。EPS(1株利益)はマイナス0.09ドルです。LSEGがまとめた市場予想では売上高が69億3400万ドル、EPSがマイナス0.258ドルで、ともに大きく上振れています。


6月に上場した後、初めてとなる四半期決算では売上高が大きく伸びました。営業損失が1億4300万ドル(前年同期は9億7000万ドル)と営業赤字の脱却は実現しませんでしたが、調整後EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)が2.9倍の35億3800万ドルに急増しています。


事業別では、衛星インターネットサービス「スターリンク」を軸とする通信部門がけん引役となりました。同部門は売上高が66%増の42億9100万ドル、営業利益が79%増の16億600万ドル、調整後EBITDAが64%増の25億9700万ドルと成長しています。



スターリンクは業容の拡大が続き、上場目論見書で9600基だった運用中の人工衛星の数が1万200基に増加しています。加入数は1200万件に倍増し、カバーエリアは167カ国に達しています。


通信部門の売上高では特に法人・政府機関が2.1倍の18億600万ドルに急増しました。大手航空会社に加え、NTTドコモやソフトバンクなどの通信会社との提携も寄与しています。


人工知能(AI)部門は売上高が3.5倍の25億6100万ドル、営業損失が12億5700万ドル(前年同期は15億2400万ドル)です。新たなクラウドサービスや「グロック」のサブスクリプション収入の増加などを背景に売上高が急増しました。調整後EBITDAが11億4600万ドルとなり、2億7600万ドルの赤字を計上した前年同期から黒字に転換しています。



宇宙部門は売上高が29%増の9億6200万ドル、営業損失が5億4200万ドル(前年同期は3億6900万ドル)です。ロケット打ち上げ数が増えたことで増収を確保しましたが、宇宙船「スターシップ」の開発費用がかさみ、営業赤字が膨らみました。


初の四半期決算は総じて良好な内容だったと受け止められましたが、懸案材料として目を引いたのが設備投資などの資本的支出が6.5倍の183億6900万ドルに急増したことです。特にAI部門が21.1倍の158億2800万ドルに膨らんでおり、AI事業の投資負担の重さが意識されています。

中国株情報部

島野 敬之

出版社を経て、アジアの経済・政治情報の配信会社に勤務。約10年にわたりアジア各国に駐在。 中国株二季報の編集のほか、個別銘柄のレポート執筆を担当する

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