足場のダイサンと、道路や学校などをつくるノバックは、どちらも建設業の企業で、配当利回りが4%以上の高配当株です。今回は、今期最初の3か月(第1四半期)の決算で赤字に転落したダイサン(ビケ足場)と、減益の年も年間120円以上の配当を続けるノバックを比較し、株価や決算とあわせて解説していきます。
ダイサンvsノバック
下記の一覧表は、ダイサンとノバックの株価、配当の権利確定日、配当金額、配当利回り、今年度の業績予想の比較です。配当利回りはダイサンが約4.0%、ノバックが約4.6%で、2社とも株主優待はありません。
2社とも中間配当の権利確定日は10月ですが、ダイサンは決算日が4月20日のため10月20日、ノバックは10月31日と日付が違います。権利付き最終日(この日までに買えば配当の権利を得られる最終日)は、原則として権利確定日の2営業日(土日・祝日を除いた取引所が開いている日)前です。
ダイサンは10月16日(金)と月末ではないので、ご注意ください。ノバックは10月31日が土曜日にあたるため、直前の営業日の10月30日(金)から2営業日さかのぼった10月28日(水)となります。

ダイサン(4750)
ダイサンは、住宅やビルの工事で使う足場の設計・施工・レンタルを手がける企業です。会社の沿革によると、1980年に、くさびの仕組みで部材を組み立てる「ビケ足場」を日本で初めて開発しました。家の建築現場で、パイプを組んだ足場を見たことがある方は多いのではないでしょうか?
また、足場の部材の販売や、シンガポールでのプラント(工場などの大きな設備)の工事なども行っています。
ダイサンの業績、第1四半期は赤字転落も年間は黒字の予想
2026年度(2026年4月20日まで)の売上高は約111億円、営業利益(本業の儲け)は約2.7億円でした。2027年度は売上高が約120億円、営業利益が約2.8億円となる予想です。
9月1日に発表した第1四半期(4月21日~7月20日の3か月間)の決算では、売上高が前の年の同じ時期より5.8%増えた一方で、営業利益は約0.9億円の赤字に転落しました。会社は、施工の人員を増やして人件費が先に増えたことや、シンガポールの工事が中東情勢の影響で延期になったことを理由に挙げています。
ただし、会社は年間の業績予想を変えておらず、1年間を通しては黒字を見込んでいる状態です。
ダイサンの株価は約500~700円の範囲で横ばい、6月に今年の安値
2026年9月末時点の株価は約550円です。2014年に約1100円の高値をつけたあとは下がり、2018年以降は約500~700円の範囲で推移しています。
2026年は6月に約530円まで下げ、今年の最も低い水準をつけました。6月に発表した2026年度の営業利益が、会社の予想(約4.2億円)を下回って前年度より約3割減ったことが、株価の下落につながったと考えられます。
9月1日の赤字の発表の翌日は、一時約540円まで下げたものの、終値は約570円まで戻しました。その後も約550円前後で推移し、6月の安値は下回っていません。
ダイサンの株主優待は未実施
ダイサンは、現時点で株主優待制度を導入していません。株主優待を目当てに投資を考えている方には向いていないため、ご注意ください。
ダイサンの配当はいつもらえる?中間配当の権利確定日は10月20日
今期の配当金は、10月20日の中間配当が11円、4月20日の期末配当が11円で、年間1株当たり22円となる予想です。
10月20日は配当を受け取る権利が決まる日で、お金が支払われるのはその後です。今年の支払開始日はまだ発表されていませんが、前年度は2025年12月26日からだったため、今年も12月下旬ごろになると考えられます。
手元へ残る最終利益が赤字だった2023年度も年20円を支払い、2024年度からは普通配当(毎年の通常の配当)の22円を続けています。2025年度は、設立50周年の記念配当(会社の節目の年に上乗せする配当)2円を加えた24円でした。
会社は、手元へ残る最終利益の30%か、株主資本(株主が出したお金とこれまでの利益の蓄え)の2%のうち、高いほうを配当の下限とする方針です。利益が大きく減った年でも、株主資本の2%を下回る配当にはしないという考え方になります。
今期は、1株あたりの手元へ残る最終利益の予想が約20円で、配当の22円はこれを上回る見込みです。赤字が続いて株主資本が減れば、その2%にあたる下限の金額も下がるため、配当が減る可能性もある点にご注意ください。
ダイサンの配当利回りは約4.0%
1株550円で100株購入した場合、投資金額は約5万5000円になります。年間の配当金は2200円となり、配当利回りは約4.0%です。10月16日(金)までに買えば、10月20日の中間配当1100円の対象となります。
なお、各年度の平均株価から計算した配当利回りの実績は、2023年度が約3.3%、2024年度が約3.7%、2025年度が約4.2%、2026年度が約3.7%でした。今の約4.0%は、記念配当があった2025年度に次ぐ高さです。過去の配当金と配当利回りの推移は、下記のグラフをご確認ください。

ノバック(5079)
ノバックは、兵庫県姫路市に本社を置く総合建設会社(ゼネコン)です。道路や橋、ダム、上下水道などの公共工事を中心とする土木と、学校や病院、マンション、工場などを建てる建築の2つが事業の柱となっています。
1965年に設立され、2022年3月に上場しました。
ノバックの業績は前年度に大きく伸び、今年度は減益予想
2026年度(2026年4月まで)の売上高は約354億円、営業利益は約19億円でした。営業利益は前年度の2倍以上に増えていて、会社は受注する工事を選び、資材や人件費の上昇分を価格に反映したことを理由に挙げています。
2027年度は、大型工事の着手時期の影響で、売上高が約320億円、営業利益が約13億円に減る予想です。9月に発表した第1四半期(5月~7月の3か月間)の決算でも、営業利益は約0.9億円と、前の年の同じ3か月間より約6割減りました。
ノバックの株価は2024年の高値から下落、2600円前後で推移
2026年9月末時点の株価は約2600円です。上場した2022年3月は約2500円で、2024年4月には一時約3800円まで上がりました。
その後は下落し、2025年以降は約2300~2900円の範囲で動いています。2024年度に営業利益が約7割減ったことや、2025年3月に業績予想を引き下げたことが、株価が下がった理由と考えられます。
ノバックの株主優待は未実施
ノバックも、現時点で株主優待制度を導入していません。そのため、株主として受け取れるものは配当金に限られます。
ノバックの配当金は年間120円予想、減益の年も普通配当を維持
2027年度の配当金は、10月末の中間配当が60円、4月末の期末配当が60円で、年間1株当たり120円となる予想です。中間配当の権利付き最終日は、10月28日(水)となります。
お金が振り込まれるのは権利確定日より後で、前年度の中間配当は2026年1月13日から支払われました。今回の支払開始日は未発表ですが、2027年1月中旬ごろになると考えられます。
2023年度から普通配当は120円で、営業利益が約7割減った2024年度も120円を保ちました。この年は、60回目の決算期(第60期)を記念した配当40円を加えた160円でした。
会社は安定した配当を続けることを基本方針としていて、今期は1株あたりの手元へ残る最終利益の予想約149円のうち、約8割にあたる120円を配当に回す見込みです。ただし、残る利益が少ないため、業績がさらに落ち込めば120円を保てなくなるおそれもあります。
ノバックの配当利回りは約4.6%
1株2600円で100株を買うと、投資金額は約26万円です。年間の配当金1万2000円から計算すると、配当利回りは約4.6%になります。10月28日(水)までに100株を買えば、10月末の中間配当6000円の対象です。
なお、各年度の平均株価から計算した配当利回りの実績は、2023年度が約4.9%、2024年度が約5.1%、2025年度が約4.3%、2026年度が約4.4%でした。4年続けて4%を超えています。過去の配当金と配当利回りの推移は、下記のグラフをご参照ください。

高配当のダイサンとノバック、配当はいつ?投資するならどっち?
ダイサンは第1四半期決算で赤字に転落しましたが、年間22円の予想は変えておらず、配当利回りは約4.0%です。株価は約550円のため、100株を約5万5000円から買える手軽さもあります。
一方のノバックは、今年度は減益の予想でも普通配当120円を続けていて、配当利回りは約4.6%とダイサンより高くなっています。
おすすめなのは、少ない資金で高配当株を始めたい方ならダイサン、利回りの高さを重視する方ならノバックとなります。
いつまでに買えば中間配当の対象になるかは2社で違い、権利付き最終日はダイサンが10月16日(金)、ノバックが10月28日(水)と12日の差があります。日付の違いに気をつけながら、足場のダイサンと公共工事のノバックを検討してみてはいかがでしょうか?


