今回解説していく通貨は豪ドル円(AUD/JPY)です。現状は調整局面入りが濃厚となっており、今後は重要なサポート水準である108.70円台を維持できるかがポイントになりそうです。
ファンダメンタルズを確認すると、豪準備銀行(RBA)は強いインフレ警戒姿勢を示したものの、RBA総裁の発言などから年内の追加利上げ観測は後退しています。
今後の豪ドル円の相場焦点:RBA総裁発言を契機に金利の据え置き予想が広がる
まずは豪州の現在の金融政策状況を確認していきます。
豪準備銀行(RBA)は2022年5月に金融引き締めを開始。2023年11月に政策金利を4.35%まで引き上げて、2025年2月から金融緩和局面へと移行しましたが、今年2月の会合で再び金融引き締めへと転じました。現在の政策金利は4.60%です。
●RBAは9月に開催された直近の会合で利上げを決めましたが、その際の声明文では
・必要に応じて政策金利をさらに引き上げることを含め、インフレを持続可能な形で目標に回帰させるために必要と判断する措置を今後も講じていく
・最近のデータはオーストラリアの経済成長とインフレが予想以上に高かったことを示している
・高インフレが定着しないようにすることに引き続き注力
・前回の会合以降、インフレに対する上振れリスクの一部が顕在化
などの見解が示されました。
声明文では追加利上げの可能性が示されたほか、強いインフレ警戒姿勢を維持するなど、総じて「タカ派的な見解」と受け止められました。
ただ、その後にブロック豪準備銀行(RBA)総裁が「インフレ率が低下すれば、追加利上げが不要となる可能性もある」との見解を示したことで状況は変化。金利据え置きへの思惑が急速に高まる格好となりました。金利先物市場で、年内の追加利上げの折り込み度は30%程度にとどまっています。
豪ドル円の週足分析:108.70円台の維持がポイントに
下図は豪ドル円の週足チャートになります。

昨年4月からのしっかりとした上昇トレンド(チャート上の青色実線)をしばらく維持してきましたが、今年の7月後半になって同トレンドラインを下方向に抜けてきました。
チャート下部に追加した「DMI」で確認しても、足もとでは-DI>+DI(下落トレンド)に転換。トレンドの強さを示すADXは減速気味ですが、調整局面に入ったことは間違いなさそうです。
今後の注目は10月1日安値の108.71円付近を維持できるかどうか。同水準付近は過去(3月31日)にも下げ止まった実績があり、重要なサポートとして意識されています。逆に同水準を下抜けると売りの勢いが加速する可能性が高く、注意が必要となります。
豪ドル円の日足分析:レンジ相場の可能性も頭に入れておくべきか
今度はより短期的な視点からも豪ドル円の動きを確認していきましょう。下図は豪ドル円の日足チャートになります。

チャート下部に追加した「DMI」で確認すると、こちらも-DI>+DI(下落トレンド)を示唆。トレンドの強さを示すADXも高水準にあり、やはり調整局面入りの可能性を意識すべき局面です。
ただ、もう一つの見方が「現状は今年3月からのレンジ相場(チャート上の四角で囲った部分)」にあるというもの。現時点で可能性が高いシナリオとは言えませんが、一応頭に入れておきたいところです。
今後の取引材料・変動要因をチェック:豪インフレ統計次第で再び利上げ観測が高まる可能性も
最後に今後1カ月間の重要イベントも確認しておきます。注目は日・豪の金融政策。日銀は10月会合での連続利上げ観測もくすぶっているほか、豪準備銀行(RBA)も現時点では据え置き予測ですが、10月末の四半期物価統計次第では再び利上げ観測が高まる可能性があるため注意が必要となります。
その他のイベントは以下の通りとなります。
今後1カ月の重要イベント
・10月23日 日本 9月全国消費者物価指数(CPI)
・10月28日 豪州 7-9月期 CPI
・10月28日 豪州 9月CPI
・10月29-30日 日本 日銀金融政策決定会合
・11月2-3日 豪州 RBA金融政策理事会



