ウェルズ・ファーゴ、非金利費用は人員削減などの効率化で抑制
ウェルズ・ファーゴ(WFC)が発表した2026年7-9月期決算は売上高に相当する純営業収益が前年同期比2%増の218億7000万ドル、純利益が7%増の57億300万ドルとなりました。EPS(1株利益)は1.87ドルで、LSEGがまとめた市場予想の1.854ドルを0.9%上回っています。
安定した決算の主因は貸出残高の拡大と金利環境を背景とした純金利収入の堅調な増加です。純金利収入は貸出残高の増加や資産運用環境の改善が寄与し、5%増の125億1700万ドルに拡大しました。

一方、非金利収入は投資顧問手数料や投資銀行手数料が増加したものの、トレーディング収益の減少やベンチャーキャピタル投資の減収などが響き、1%減の93億5300万ドルにとどまりました。非金利費用は人員削減などの効率化が奏功し、1%減の137億4300万ドルに抑えられています。
事業別では消費者向け銀行部門が堅調で、純営業収益が5%増の106億5600万ドル、純利益が21%増の27億5500万ドルに達しました。資産運用・ウェルスマネジメント部門は純営業収益が12%増の41億400万ドル、純利益が19%増の6億300万ドルと増収増益です。

投資銀行部門は純営業収益が3%増の50億800万ドル、純利益が2%減の19億2400万ドルです。M&Aアドバイザリー手数料が30%増、株式市場・投資適格債券の引き受け手数料が33%増と好調に推移しました。
チャーリー・シャーフ最高経営責任者(CEO)は、金利高やインフレなどのリスクに触れつつも、「消費者の支出や預金残高が増加しており、顧客の財務状態は健全」と指摘しています。また、人工知能(AI)インフラへの投資や高水準の雇用継続がマクロ経済のリスクを補う強力な追い風になっているとの見解を示しました。
ユナイテッドヘルス・グループ、医療費管理の徹底で成果
医療保険大手のユナイテッドヘルス・グループ(UNH)が発表した2026年7-9月期決算は、売上高が前年同期比0.4%減の1126億9400万ドル、純利益が75%増の41億1000万ドルとなりました。調整後EPS(1株利益)は4.69ドルで、LSEGがまとめた市場予想の4.1395ドルを13.3%上回っています。
徹底した医療費の管理と成果報酬型医療「バリューベースケア」の推進が好業績につながりました。収益性の指標である医療費率(収入に対する医療費の割合)は、前年同期の89.9%から88.4%に改善しました。保険料率の適正化や給付設計の見直しに加え、人工知能(AI)ツールの活用や低コストな在宅医療への誘導が功を奏しています。

7-9月期には入院患者数が前年同期比で15%減少した一方、在宅医療の受け入れは10%増えており、医療品質を保ちながらコスト抑制を実現しました。また、営業費用率も前年同期の13.5%から12.8%に低下するなど業務の効率化が進んでいます。
部門別では、医療保険事業の「ユナイテッドヘルスケア」の売上高が1%減の863億3000万ドルにとどまったが、営業利益は57%増の28億3100万ドルに急拡大しました。ヘルスケアサービス部門の「オプタム」も好調で、営業利益が49%増の37億3200万ドルと伸び、主力の両事業が揃って業績をけん引しました。

決算発表時のガイダンスでは2026年通期決算の予想を上方修正しました。調整後EPSの見通しを従来の19.50ドル-20.00ドルから「少なくとも20.50ドル」へと引き上げています。高水準な医療費の圧力に対処しつつ、バリューベースケアの拡大と効率化により収益性を引き上げる方針です。
ゴールドマン・サックス、手数料ビジネスが好調
ゴールドマン・サックス(GS)が発表した2026年7-9月期決算は売上高に相当する純営業収益が前年同期比23%増の186億7900万ドル、純利益が33%増の51億2200万ドルとなりました。EPS(1株利益)は17.01ドルで、LSEGがまとめた市場予想の13.025ドルを30.6%上回っています。
金利収益環境の影響で純金利収入は2%減の37億7000万ドルにとどまったものの、トレーディングやディールメイキングを中心とする手数料ビジネスの力強い成長が業績を押し上げました。

特にグローバル・バンキング&マーケット部門は純営業収益が32%増の134億5800万ドルと大幅に伸びました。デリバティブ取引やプライム・ファイナンシングの活況が寄与し、株式関連収入が72%増の64億4100万ドルに急拡大しています。また、M&A助言や株式引き受けの増加で、投資銀行手数料収入は21%増の32億2400万ドルを記録しました。さらに、アセット&ウェルス・マネジメント部門も運用資産残高の拡大に伴う管理報酬の増加で、純営業収益が14%増の50億5100万ドルに達しています。
デービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)は、今期の市場環境について「複雑な経営環境」と説明した半面、主要事業での堅実な成果を強調しました。また、一部で報じられた退任・後継者計画を巡る観測に対しては、「後継に向けた移行計画やタイムラインは存在しない」と否定しています。




