BTC、リスク回避で…
代表的な暗号資産のビットコイン(BTC)は2026年10月28日21時半頃、対円では前週(7日前)比2.9%安の1279万円前後で取引されています。BTCドルが8万1000ドルを割り込んだ水準で、年初以来の下落率は約7.5%です。
BTC円は22日の早朝につけた1340万円で頭打ち。その後は急速に売り圧力が強まり、あっさりと1300万円を割り込むと、週末には1243万円前後まで下げ幅を広げました。
BTCドルも8万4800ドル台を上値に失速。ロングの投げが投げを呼ぶ形で、24日夜中に節目の8万ドルを割り込むと、一時7万9100ドル台まで売り込まれる場面がありました。
AI投資の収益化を巡る懸念が意識され、AI関連株が軟調となり、金融市場全般にリスク回避の動きが広がりました。リスク資産であるビットコインもこの流れに逆らえず、売りに押される展開となりました。
もっとも週明けから相場のセンチメントは改善しつつあり、BTCも持ち直す動きとなっています。

※Trading Viewより
弱気相場は終わってた?
米ギャラクシー・デジタル(Galaxy Digital)が10月27日に発表した7-9月期決算は純利益3億2300万ドルと、前四半期の8500万ドルの赤字から黒字に転じました。利益の大半は投資先の評価益で、データセンター事業も伸びています。
市場の関心を集めたのは、同社が先週公表したリサーチレポートの方です。リサーチ責任者のソーン氏は、「弱気相場は6月に終わり、ビットコインは過去の上昇相場の前に必ず訪れた『蓄積局面』にある」とみています。
蓄積局面とは、価格があまり動かないうちに長期の買い手が静かに買い集める時期のこと。12万5000ドルを取り戻す条件も整いつつある、としました。
「ギャラクシーデジタル、7~9月期は510億円の黒字」CoinPost

※Trading Viewより
強気の根拠と、崩れる条件
ソーン氏が根拠に挙げるのは、50週移動平均線です。BTCドルは44週にわたってこの線を下回っていましたが、9月に回復しました。同社によると、20週以上下回ったあとに回復した過去4回は、どれも33-83週以内に史上最高値を取り戻しています。
第215回でお伝えした「下落の浅さ」も、この見方と重なります。最高値からの最大下落率は53%で、過去の弱気相場より浅め。6月の安値以降、現物ETFは8万7000BTCを買い増しました。
とはいえ、一社の見立てにすぎません。レポート自身、50週線を再び割り込んで1カ月以内に戻せなければ強気の見方は弱まる、と条件を付けています。まずは50週線を守れるか。そこを見ておきたいと思います。
「ギャラクシー「弱気相場終了」ビットコイン12万5000ドル視野」Bitcoin.com News
新たなETF、ビットコインは混ぜる時代へ
米資産運用大手ヴァンエック(VanEck)が10月27日、株式・債券・実物資産にBTCを組み合わせたETF「VanEck Wealth Builder ETF(WBMO)」を上場しました。運用者が配分を決める「アクティブ運用」型で、1本で資産全体を分散できる商品です。BTCは目標2%(1-5%で調整)で、現物ETFを通じて組み入れます。
第217回で取り上げたスイスのETFは、BTCだけを詰めた箱でした。今回は、普通の資産運用にBTCを少し混ぜた箱。BTCを自分では買わない人も、知らないうちに持つことになります。
2%なら、BTCが半値になっても全体への影響は約1%。値動きの荒い資産を、無理のない量だけ足すという考え方です。日本で暗号資産ETFが解禁されるのは2028年ごろの見通しで、国内で同じような商品を選べるのはまだ先になりそうです。
「VanEck、ビットコインを2%組み込んだオールインワンETFを上場」NADA NEWS
マイニング、AIへ向かう大手
マイニング(BTCの取引を記録する計算作業に参加し、報酬として新しいBTCを受け取ること)でも、正反対のニュースが2つありました。
まずは産業化の話。マイニング関連サービスの米ラクサー(Luxor Technology)が10月27日、1600万ドルの資金調達を発表しました。採掘機メーカーのカナン(Canaan)なども出資しています。本業はマイニングプール(採掘報酬を分け合う仕組み)の運営や採掘機の売買仲介ですが、今回の資金はAI向けのクラウドや、AI用半導体(GPU)の仲介に回します。
電力と計算設備を大量に抱えるマイナーにとって、AIは手を出しやすい事業です。米国の上場マイナーには、AI関連の収益が採掘収益を上回った企業も出てきました。
「ビットコイン採掘企業Luxor、AI事業拡大へ1600万ドル調達」Bitcoin.com News
確率は1200年に1度?!
もうひとつは個人の話です。10月26日と27日、個人のマイナー2人が相次いで、単独でブロック(取引記録のまとまり)を掘り当てました。ブロックはほとんど大手プールが見つけるものですが、2人は報酬の3.125BTC(約25万ドル)と手数料を丸ごと手にしています。
2人目の計算能力は16.2TH/s(1秒間に16.2兆回の計算)。ネットワーク全体の約6700万分の1です。1日に掘り当てる確率は約0.0002%で、平均すれば1200年近くかかる計算。宝くじの1等を引いたようなものです。
主役は企業に移り、その企業もAIへ軸足を移しつつあります。それでも、家庭用の機材で参加した個人が報酬を手にすることがある。ビットコインがまだ「誰でも参加できる仕組み」のまま動いていると、あらためて感じたニュースでした。
「個人マイナー2人が大手採掘企業を倒しビットコイン獲得」Bitcoin.com News


