新たな指数「TOPIX Next-tier」が算出開始へ

日本株の新たな投資対象を可視化する「TOPIX Next-tier」


2026年10月30日、JPX総研が新指数「TOPIX Next-tier(ネクストティア)」の算出を始めます。対象は、次期TOPIXに選定されない銘柄のうち、一定の流動性と時価総額の基準を満たす企業群です。10月7日公表の採用予定銘柄は704。TOPIX改革で構成銘柄の選別が進むなか、その外側に広がる投資機会を捉える新たな物差しとなります。


プライム、スタンダード、グロースの3市場を母集団とし、年間売買代金回転率0.1以上、対象銘柄群の浮動株時価総額を大きい順に積み上げた累積比率で上位99%以内などを条件としています。浮動株を反映した時価総額加重型で、配当なし・配当込みの終値を日次で配信します。企業の利益成長や割安さを直接評価する指数ではなく、採用の意味を正しく理解する必要があります。初期採用にはTOPIXの移行措置銘柄も含まれ、移行期間中は両指数で重複が生じます。初期選定後、最初の定期入替は2028年10月末となります。


創設の意義は、運用しやすさを高めるTOPIX改革と、幅広い日本企業への投資機会を両立させる点にあります。流動性を重視すれば、TOPIXに残る企業は絞られます。一方、その基準を満たさない企業にも、独自技術や有力ブランドを持つ企業はあります。共通の指数ができることで、投資家が中小型株を比較・評価し、運用成果を測る基盤が整います。将来の連動商品や専用ファンドの開発にもつながると考えられます。企業側にとっても、情報発信を充実させ、市場での認知や売買の厚みを高める契機となり得ます。


投資家としては、移行措置銘柄の対象外で、スタンダード・グロース市場に上場する企業に目を向けたいところです。防衛、コンテンツ、娯楽施設運営など、事業の特色は幅広くあります。指数への採用をきっかけに、普段は調べる機会の少ない企業の収益構造や成長戦略を見直す余地があります。



JPX公表資料をもとにDZHFR作成


例えば、日本アビオニクス<6946.T>は、防衛装備品や赤外線センシングの技術を持ち、受注が売り上げや利益につながる過程に注目できます。カバー<5253.T>はVTuberの知的財産を軸に、グッズやライセンス展開の広がりが焦点となります。GENDA<9166.T>はアミューズメント施設運営などを展開し、買収後の収益拡大と資金調達の規律を見極めたい銘柄です。注目する事業は異なりますが、いずれも成長への期待が現在の株価にどこまで織り込まれているかが重要です。


Next-tierは、これらの企業を調べる入口として有用でしょう。将来のTOPIX入りには別途基準を満たす必要があり、今回の採用がその実現を保証するものではありませんが、これかの候補として注目度が上昇することには期待できます。売り上げ成長だけでなく、利益率、キャッシュフロー、株主還元についても確認したいちころです。新指数の算出により、投資家の視野を広げ、企業への投資機会の拡大につながることを祈ります。


日本株情報部 アナリスト

斎藤 裕昭

経済誌、株式情報誌の記者を経て2019年に入社。 幅広い企業への取材経験をもとに、個別株を中心としたニュース配信を担当。

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