変動金利の個人向け国債に関心が集まるなど、多くの人が金利上昇を実感しているように感じられます。先日公表された「第107回<2026年9月調査> 生活意識に関するアンケート調査」(2026年8月3日~9月4日実施、有効回答者1,972人)から、金利に対する意識を見てみましょう。
この調査は年4回行われ、対象は全国の20歳以上の個人です。世の中の景気は良くなっているか、暮らし向きにゆとりが出てきたか、収入や支出は増えているか、物価は上がっているかなど、生活に身近な質問を通じて人々の意識や行動を把握し、その結果は日本銀行の政策・業務運営の参考にされています。
金利が「高すぎる」と感じる人は約4人に1人
今回は、調査結果のうち、金利水準について見ていきます。アンケートでは、「景気の状況を考えたとき、現在の金利水準をどのようにお考えになりますか。」と尋ねています。
これに対し、2026年9月調査では「金利が低すぎる」と回答した人が33.9%で、前回の2026年6月調査の33.3%より0.6ポイント増加しました。「適当な水準である」は39.3%で前回の40.8%より1.5ポイント減り、「金利が高すぎる」という人は23.9%で前回の24.0%とほぼ同水準でした。
次は、人々の長期的な金利観を【グラフ1】で見てみましょう。

かつては「低すぎる」という回答が圧倒的でしたが、現在は「高すぎる」「適当な水準」「低すぎる」の3つの回答割合が接近しています。
過去20年間を見ると、特に以下の3つの時期が特徴的です。
2006年当時:「低すぎる」が6割を超え、「高すぎる」は1割程度。両者に大きな開きがありました。
2016年ごろ:長く続いた低金利環境のなか、「低すぎる」が再び6割を超えました。
2026年9月:「低すぎる」33.9%、「高すぎる」23.9%。両者の差は10ポイントまで縮小しています。
金利水準D.I.は過去最高を記録した前回からわずかに低下
「金利が高すぎる」と答えた人の割合から「低すぎる」と答えた人の割合を差し引いたものを、金利水準D.I.といいます。2026年6月調査では▲9.3ポイントと、2006年9月の調査開始以来、最も高い水準となりました。9月調査では▲10.0ポイントとわずかに低下しましたが、依然として過去の調査と比べて高い水準にあります。
ただし、D.I.はまだマイナスです。長期的には「金利が高すぎる」という人が増えているものの、依然として「低すぎる」という人の方が多い状態が続いています【グラフ2】。

金利上昇を歓迎する人、負担に感じる人
金利が高いか低いかは、その人の立場によって受け止め方が異なります。
預金者にとっては、金利が上昇すれば受け取る利息が増えるため、歓迎したい変化でしょう。最近は、個人向け国債「変動10年」への関心が高まっています。市場金利の動向に応じて半年ごとに適用利率が見直されるため、金利上昇の恩恵を受けられる可能性があります。
一方、住宅ローンなどの借入金がある人にとっては、金利上昇が返済負担の増加につながることがあります。家計管理が難しくなるかもしれません。企業も同様です。借入金利が上昇すれば、支払利息が増えて利益を圧迫する可能性があります。
ただし、今回のアンケートでは、回答者が預金金利と借入金利のどちらを念頭に置いて答えたのかまでは分かりません。
また、資産運用を考える際には、金利だけでなく物価の動きにも目を向ける必要があります。預金や国債の利息が増えても、それを上回るペースで物価が上昇すれば、お金の購買力は低下する可能性があるからです。
金利上昇を歓迎する人もいれば、負担に感じる人もいます。今回の調査結果をきっかけに、金利の高低だけに注目するのではなく、金利の変化が自分の家計や資産運用にどのような影響を及ぼすのか、改めて考えてみてはいかがでしょうか。
【参考サイト】
「生活意識に関するアンケート調査」(日本銀行)


