日本の半導体株に、まとまった資金を動かす新しい市場が誕生する予定です。大阪取引所は10月27日、「日経半導体株指数先物」が2027年4月26日に上場する予定だと発表しました。現在は制度案について意見を募集している段階ですが、実現すれば、日本の半導体株に絞った売買や、保有株の下落に備える手段が広がります。
取引対象となる日経半導体株指数は、日本経済新聞社が算出する株価指数です。東証に上場する主要な半導体関連株30銘柄で構成され、半導体メーカーに加えて、製造装置、材料、商社なども含みます。日経平均が日本の幅広い業種を対象にするのに対し、こちらは半導体産業に焦点を当てた指数といえます。
すでに同指数を土台とするETFも上場しています。200A「NEXT FUNDS 日経半導体株指数連動型上場投信」は、その一つです。厳密には200Aが連動を目指すのは配当を反映したトータルリターン指数で、先物の対象は配当を含まない指数ですが、構成銘柄は共通です。今回の上場は、なじみのある半導体株の指数に、先物という売買手段が加わる動きと捉えられます。
先物は、あらかじめ定められた期日に向けて、指数の価格を売買する取引です。半導体株の上昇を予想して買うだけでなく、下落を予想して売りから入ることもできます。例えば、半導体株を長期保有しつつ、短期的な業界全体の下落を警戒する場合、現物株を売却せずに先物を売る使い方が考えられます。ただし、保有株と指数の値動きは完全には一致しないため、損失をすべて相殺できるわけではありません。
制度案で注目したいのは、夜間取引が17時から翌朝6時まで予定されていることです。米国市場で半導体株が大きく動いた際も、日本の半導体株の指数先物で対応できるようになります。売買が十分に集まれば、夜間の日経225先物と合わせて、翌日の東京市場を考える手掛かりにもなりそうです。
取引単位は指数の100倍で、最低の値動きは5ポイントです。仮に先物価格が2万ポイントなら、1枚で200万円相当を取引する計算になります。100ポイント動けば損益は1万円、5ポイントなら500円です。実際には証拠金を預けて取引するため、少ない資金で大きな金額を動かせる半面、損失が証拠金を上回る可能性もあります。取引金額と必要証拠金は分けて理解する必要があります。
一方、半導体株30銘柄という名前だけで、均等に分散された商品と考えるのは早計です。指数は時価総額に応じて比率が決まります。公式データの9月末時点では、キオクシアが28.77%、東京エレクトロンが14.08%、アドバンテストが12.06%を占め、上位3社で約55%です。ほかの銘柄が動かないと仮定すれば、キオクシアの10%上昇だけで指数を約2.9%押し上げる計算で、上位銘柄の動向が大きく響きます。

さらに、上場時点の構成が現在と同じとは限りません。指数は毎年11月末に定期見直しを行うため、来春の先物上場は、今年11月の見直しを経た後になります。その間に臨時の変更が生じる可能性もあり、構成比率も株価に応じて動きます。添付の表は9月末時点の姿であり、先物の取引開始時の構成を示すものではありません。
先物の上場は、半導体株への買い需要が一方的に増えることを意味しません。売りやヘッジの需要も入り、実際の使いやすさは出来高や売買価格の差に左右されます。今後は11月の見直し結果に加え、証券会社の取り扱いや市場参加者の広がりも注目しています。



