不動産会社の株主優待と聞いて、どのような内容を思い浮かべるでしょうか?今回は、「利回りくん」のシーラHDと、「KAITRY」のプロパティテクノロジーズを比較します。株主優待の中身や使い方、配当と株価の動きをあわせて解説していきます。
シーラHD(利回りくん)vsプロパティテクノロジーズ(KAITRY)
下記の一覧表は、シーラHDとプロパティテクノロジーズの株価、株主優待の権利確定日、株主優待内容、配当の権利確定日、配当金額、利回りの比較です。
注意したいのは、どちらも100株では株主優待がもらえないことで、シーラHDは200株以上、プロパティテクノロジーズは300株以上が必要です。権利確定日は2社とも11月30日(月)なので、権利付き最終日(この日までに買えば権利を得られる最終日)は11月26日(木)です。

シーラホールディングス(8887)
シーラホールディングス(以下、シーラHD)は、首都圏を中心にマンション「SYFORME」などを開発・販売する企業です。また、1口1万円から不動産に投資できるクラウドファンディング「利回りくん」も運営していて、会員数は28万人を超えています(2025年5月末時点)。
「利回りくん」の名前を、どこかで聞いたことがある方もいるのではないでしょうか?
シーラHDの株価は伸び悩み、その理由は?
2026年10月末時点の株価は約340円です。2024年末から2025年春には約280円まで下がりましたが、経営統合のあとに持ち直し、2025年10月には一時約500円をつけました。
2026年は約330円から430円のあいだで推移し、10月は年初からの安値に近い水準になっています。
株価が伸び悩んでいる理由は、前年度にあった経営統合による一時的な利益がなくなり、今年度(2027年5月まで)の手元へ残る最終利益が約8割減る予想のためと考えられます。
ただ、本業は伸びていて、営業利益(本業の儲け)は16~22%増える予想で、第1四半期(6~8月)も19%増えています。
なお、シーラHDは2029年5月末まで、東京証券取引所の審査を受ける期間に入っています。経営統合で、上場していなかったシーラテクノロジーズ側が実質的に存続する会社とみなされたためです。
期間中に新規上場と同じような審査に通れば上場は続きますが、通らない場合は上場廃止となるおそれもあるため、今後会社が出すお知らせにご注意ください。
シーラHDの株主優待は「利回りくんコイン」、200株から
シーラHDの株主優待は、2026年11月末の権利確定日に、200株以上保有する株主に対し、保有株数に応じて「利回りくんコイン」が贈呈されます。コインは1コイン=1円として、「利回りくん」での出資に使うことが出来ます。
200株で1000コイン、500株で1万コイン、1000株以上なら2万5000コインと、株数が増えるほど1株あたりのコインも多くなる仕組みです。
2026年7月に権利確定日が5月末から11月末に変わり、デジタルギフトは廃止されました。代わりに、500株以上を1年以上続けて持つ株主向けの長期保有優待(500円分からのデジタルギフト)が設けられました。今から買う方は1年以上持ち続けたあとに対象になりますのでご注意ください。
200株の投資金額は約6万8000円、優待利回りは約1.5%です。保有株数に応じて贈呈される株主優待の内容は、下記の一覧表をご確認ください。

株主優待の使い方
利回りくんコインの案内は、2027年1月下旬に配当金の支払通知と一緒に届く予定となります。受け取るには「利回りくん」への会員登録が必要で、メールアドレスだけで出来る仮登録と、運転免許証などで本人確認をする本登録を済ませます。
ただし、コインだけで出資することはできず、同じ額以上の現金と合わせて使います。例えば1000株で2万5000コインを受け取った場合は、2万5000円以上の現金を足して、5万円以上を出資する形です。
コインを受け取る手続きは2027年5月1日まで、出資に使えるのは5月15日までと期限が短いので、案内が届いたら早めに手続きを済ませておくと安心です。
シーラHDの配当金は年間14円予想、11月末は優待と中間配当が重なる
2027年5月までの1年間の配当金は、11月末の中間配当7円と5月末の期末配当7円を合わせて、年間1株当たり14円となる予想です。前年度の13円には経営統合の記念配当2円が入っていたので、それを除くと3円の増配になります。
会社は累進配当(配当を前年より減らさない方針)に移行しました。11月末は株主優待と中間配当の権利確定日が重なり、前年度の中間配当は1月末に支払われていて、今回も年明けの1月に配当金とコインの案内がそろって届く見込みです。
シーラHDの配当利回りは約4.1%、200株なら合計約5.6%
1株340円で100株購入した場合、投資金額は約3万4000円です。配当金は年間1400円なので、配当利回りは約4.1%になります。ただし100株では株主優待はもらえません。
200株なら投資金額は約6万8000円で、配当金2800円と1000コインを合わせた利回りは約5.6%です。1000株まで増やすと、投資金額約34万円に対し、配当金1万4000円と2万5000コインで、合計の利回りは約11.5%まで上がります。
とはいえ、コインは現金と合わせて出資するときにしか使えないため、買い物に使える優待とは性質が異なります。保有株数に応じた利回りは、下記の表をご参照ください。

property technologies(5527)
property technologies(以下、プロパティテクノロジーズ)は、中古マンションを買い取り、リノベーション(室内の改装)をして販売する企業です。また、売却サイト「KAITRY(カイトリー)」の運営や、グループ会社を通じた戸建住宅の販売も行っています。
家を売ろうと考えたとき、まずはネットで査定を申し込んでみたという方もいるのではないでしょうか?
プロパティテクノロジーズ(KAITRY)の株価は2024年の安値から3倍以上、上昇の背景は?
2026年10月末時点の株価は約870円です。2025年8月に1株を3株に分ける株式分割を行ったため、ここでは分割を考慮した株価で比べます。
2022年に一時約1500円だった株価は、2024年には約240円まで下がりましたが、2025年に大きく上がって一時約910円をつけました。2026年は約580円から880円のあいだで推移していて、2024年の安値と比べると3倍を超える水準です。
株価上昇の背景には、業績の伸びと株主還元の強化があると考えられます。2025年10月に業績予想の引き上げ・増配・株主優待の導入を発表した翌日は、ストップ高(1日に上がれる上限の値段)となりました。
今年も10月15日に増配と株主優待の拡充を発表していて、株価は発表前の約810円から約870円まで上がっています。
プロパティテクノロジーズの株主優待は300株以上で電子ギフト6000円分に拡充
プロパティテクノロジーズの株主優待は、毎年11月末の権利確定日に、300株以上保有する株主に対し、電子ギフト6000円分が贈呈されます。優待は2025年10月に新設され、初回の2025年11月末分はQUOカード5000円分でした。
10月15日の発表で、今年11月末の権利確定分からは電子ギフト6000円分に変わり、金額も1000円分増えることになりました。
300株を買う場合の投資金額は約26万1000円で、電子ギフト6000円分から計算した優待利回りは約2.3%となります。ただし、100株と200株では優待がもらえません。保有株数に応じて贈呈される株主優待の内容は、下記の一覧表をご確認ください。

株主優待の使い方
電子ギフトは、カードなどの現物ではなく、届いたコードやURLから受け取るギフトです。肝心の、どの電子ギフトになるのか、いつ・どのように届くのかは、会社が決まり次第あらためて発表する予定です。
前回のQUOカードは、権利確定日から3か月以内をめどに株主名簿の住所へ送られました。引っ越しをした方は、証券会社で住所の変更を済ませておきましょう。
プロパティテクノロジーズの配当金は年間32円予想に増配、いつもらえる?
プロパティテクノロジーズは中間配当がなく、11月末の期末配当だけで、年間1株当たり32円の配当を予想しています。当初は前年度と同じ25円の予想でしたが、10月15日に7円増やしました。
前々年度の15円(株式分割を考慮した金額)、前年度の25円に続き、2年続けての増配になる見込みです。
前年度の期末配当は2026年2月27日から支払われました。11月26日(木)までに買って持ち続けていれば、翌年の2月ごろに配当が届くと考えられます。
プロパティテクノロジーズの配当利回りは約3.7%、300株なら合計約6.0%
1株870円で100株を買うと、投資金額は約8万7000円になります。年間の配当金3200円から計算すると、配当利回りは約3.7%です。
300株購入すると、投資金額は約26万1000円で、配当金9600円と電子ギフト6000円分を合わせた利回りは約6.0%に上がります。保有株数に応じた利回りは、下記の表をご参照ください。

シーラHDとプロパティテクノロジーズ、投資するならどっち?
シーラHDがおすすめなのは、10万円以下の資金から始めて、「利回りくん」で不動産クラウドファンディングも試してみたい方です。一方、「KAITRY」のプロパティテクノロジーズは、約26万円の資金で、増えた配当と電子ギフトの両方を受け取りたい方に向いています。
約7万円から株主優待をもらえるシーラHDと、配当と株主優待がそろって増えたプロパティテクノロジーズ、どちらが自分の投資の目的に合うか比べてみてはいかがでしょうか?



