E・Jホールディングスとオオバは、どちらも国や自治体の公共事業で調査や設計を担う建設コンサルタントで、増配を続けてきた高配当銘柄です。今回は、配当利回り約4.6%で記念配当を予定するE・Jホールディングスと、6年続けて増配した約3.7%のオオバを比較し、配当や株価をあわせて解説していきます。
E・Jホールディングスvsオオバ
配当利回り(株価に対する1年間の配当の割合)は、E・Jホールディングスが約4.6%、オオバが約3.7%です。株主優待はE・Jホールディングスにはなく、オオバはQUOカードを贈呈しています。
2社とも5月決算で、中間配当(決算の途中で出す配当)の権利確定日は11月30日(月)です。権利確定日は、この日に株主であれば配当を受け取れる日です。権利付き最終日(この日までに買えば権利を得られる最終日)は、2社とも11月26日(木)となります。
権利付き最終日は、原則として権利確定日の2営業日(土日・祝日を除いた取引所が開いている日)前です。2社の株価や配当、今年度の業績予想は、下記の一覧表をご確認ください。

E・Jホールディングス(2153)
E・Jホールディングス(以下、E・J)は、岡山市に本社を置く建設コンサルタントのグループです。中核の「エイト日本技術開発」など、各地の建設コンサルタント会社を傘下に持ちます。
大雨に備えた堤防の工事や、古くなった橋の補修のニュースを見たことがある方は多いのではないでしょうか?E・Jは、こうした防災・減災や、道路や橋などのインフラの老朽化対策を主な分野としています。
E・Jホールディングスの業績、今期は営業利益13.5%増の予想
2026年度(2026年5月まで)の売上高は約466億円、営業利益(本業の儲け)は約47億円で、どちらも前年度を上回りました。2027年度は、売上高が約490億円、営業利益が13.5%増の約53億円となる予想です。
10月14日に発表した第1四半期(6月~8月の3か月間)は、営業利益が約12億円の赤字でした。国や自治体への納品が年度末に集中するため、第1四半期は赤字になりやすい会社です。
前の年の同じ時期の約15億円より赤字の幅は縮み、会社は年間の業績予想を変えていません。
E・Jホールディングスの株価は約1800円、10年で約4倍に
2026年10月末時点の株価は約1800円です。2020年12月に1株を2株に分ける株式分割をしたため、その分を考慮して比べると、2016年末の約470円から約4倍に上がりました。
2025年6月には、新しい株を発行して約31億円を集める公募増資を行い、株価は一時1500円を割り込みました。株数が増えて1株あたりの価値が薄まることが、嫌われたと考えられます。
とはいえ、2025年7月に前年度の増収・増益と増配を発表すると、約1800円まで戻しました。2026年も6月に1500円台まで下げたものの、7月に記念配当を発表してからは1800円前後で推移している状態です。
E・Jホールディングスの株主優待は2024年に廃止
E・Jは、現時点で株主優待を実施していません。以前は優待がありましたが、2024年7月に廃止を発表し、2023年11月末の株主への贈呈が最後になりました。
会社は「株主の平等性」を理由に挙げ、株主への還元は配当にまとめる方針です。同じ発表で、年1回だった配当を、中間配当を加えた年2回に変えました。
E・Jホールディングスの配当金は年間82円予想、記念配当を除いても増配
今期の配当金は、11月30日の中間配当が30円、5月31日の期末配当が52円で、年間1株当たり82円となる予想です。
このうち10円は創立20周年の記念配当(会社の節目の年に上乗せする配当)で、中間と期末に5円ずつ入っています。これを除いた普通配当(毎年の通常の配当)も、前期の69円から3円増えて72円です。
2023年度の50円、2024年度の55円、2025年度の67円、2026年度の69円と、毎年増配してきました。会社によると2014年度から増配の流れを続けていて、2024年には原則として配当を減らさない累進配当を取り入れています。
今期は、1株あたりの手元へ残る最終利益の予想約206円のうち、約4割にあたる82円を配当に回す見込みです。
前期の中間配当は2026年2月5日から支払われました。11月26日(木)までに買えば、来年2月ごろには中間配当を受け取れます。
気をつけたいのは、記念配当の10円は節目の年に上乗せされたもので、来期以降も続くとは限らない点です。
E・Jホールディングスの配当利回りは約4.6%、記念配当を除いても約4.0%
1株1800円で100株購入した場合、投資金額は約18万円です。配当金は年間8200円なので、配当利回りは約4.6%になります。
記念配当を除いた普通配当72円で計算しても、配当利回りは約4.0%と高配当の水準を保っています。11月26日(木)までに100株を買えば、11月30日の中間配当3000円の対象です。
なお、各年度の平均株価から計算した配当利回りの実績は、2023年度が約3.7%、2024年度が約3.2%、2025年度が約3.9%、2026年度が約4.0%でした。今の約4.6%はこの中で最も高いものの、記念配当を除いた約4.0%で比べると、2026年度と同じ水準です。
過去の配当金と配当利回りの推移は、下記のグラフをご確認ください。

オオバ(9765)
オオバは、都市計画や土木設計、測量、土地区画整理などを手がける建設コンサルタントの会社です。土地区画整理とは、道路や公園を整えながら土地の形を整理し、使いやすい街に作り直す事業を指します。
新しい駅の周りで、道路や住宅地が少しずつ整っていく様子を見たことがある方は多いのではないでしょうか?オオバは、こうした「まちづくり」を得意としていて、物流倉庫や工場の用地の開発にも力を入れています。
オオバの業績は減収でも増益、今期は営業利益4.3%増の予想
2026年度(2026年5月まで)の売上高は約170億円で前年度より6.0%減ったものの、営業利益は1.5%増の約19.7億円でした。2027年度は、売上高が約175億円、営業利益が4.3%増の約20.5億円となる予想です。
10月8日に発表した第1四半期(6月~8月の3か月間)の営業利益は約1.8億円で、前の年の同じ時期とほぼ同じでした。会社は年間の業績予想を据え置いています。
オオバの株価は約1200円、2022年末から約1.8倍に
2026年10月末時点の株価は約1200円で、2022年末の約650円と比べると約1.8倍です。
オオバは2023年7月に、手元へ残る最終利益の50%程度を配当に回す方針を発表しました。自社株買い(会社が自分の株を市場から買い戻すこと)と合わせると60%程度を還元する計画で、その後の増配が株価を押し上げたと考えられます。
2026年は4月に一時約1300円まで上がったあと、6月には一時約1000円まで下げました。その後は持ち直し、1100~1200円前後で動いています。
オオバの株主優待はQUOカード、100株は1年以上の保有が条件
オオバの株主優待は、毎年5月末の権利確定日に、保有株数と保有期間に応じてQUOカードが贈呈されます。100株以上500株未満では、1年以上の保有で500円分、3年以上で800円分です。
注意したいのは、100株の場合、保有が1年未満だと優待がもらえない点です。1年以上とは、3か月ごとの末日(5月・8月・11月・2月)の株主名簿(会社が持つ株主の一覧)に、同じ株主番号で5回以上続けて載っていることを指します。
そのため、今から100株を買った場合、最初にもらえるのは2028年5月末の権利確定分で、QUOカードは8月下旬に届く予定です。いったん全部売ったり、名義を変えたりすると株主番号が変わることがあるので、ご注意ください。
保有株数と保有期間ごとの株主優待の内容は、下記の一覧表をご確認ください。

オオバの配当金は年間44円予想、6年連続増配のあと今期は据え置き
今期の配当金は、11月30日の中間配当が22円、5月31日の期末配当が22円で、年間1株当たり44円となる予想です。前期と同じ金額で、今のところ増配は予定されていません。
ただ、2020年度の14円から、15円、23円、24円、37円、42円、44円と、6年続けて増配してきました。前期も年度の初めは42円の予想でしたが、2026年3月に期末配当を2円引き上げて44円としています。
今期は、1株あたりの手元へ残る最終利益の予想約92円のうち、約5割の44円を配当に回す見込みとなります。
お金が振り込まれるのは権利確定日より後で、前期の中間配当は2026年2月3日から支払われました。
オオバの配当利回りは約3.7%、優待込みなら約4.1%
1株1200円で100株を買うと、投資金額は約12万円です。年間の配当金4400円から計算すると、配当利回りは約3.7%になります。
11月26日(木)までに100株を買えば、11月30日の中間配当2200円がもらえる計算です。100株を1年以上持ち続けると500円分のQUOカードが加わり、配当と合わせた利回りは約4.1%となります。
なお、各年度の平均株価から計算した配当利回りの実績は、2023年度が約3.3%、2024年度が約3.9%、2025年度が約4.1%、2026年度が約3.9%でした。株価が上がったぶん、今の約3.7%は直近3年より少し低い水準といえます。
過去の配当金と配当利回りの推移は、下記のグラフをご参照ください。

高配当の増配銘柄、E・Jホールディングスとオオバはどっちがおすすめ?
E・Jホールディングスとオオバは、どちらも増配を続けてきた建設コンサルタントの高配当株ですが、株主への還元の仕方には違いがあります。
E・Jは今期、記念配当を含めて年間82円を予定していて、配当利回りは約4.6%です。株主優待をやめたぶん、還元を配当に絞っています。
一方のオオバは、今期の配当は据え置きの予想でも、1年以上持てばQUOカードを受け取れます。100株の投資金額は、E・Jの約18万円に対し、オオバは約12万円と少なめです。
おすすめなのは、配当の金額と利回りを重視する方ならE・J、少ない資金で始めて、長く持ちながら優待も受け取りたい方ならオオバとなります。
2社とも、中間配当の権利付き最終日は11月26日(木)です。防災とまちづくりを支える2社を、配当を受け取りながら長く持つ先として検討してみてはいかがでしょうか?


