NYマーケットダイジェスト・4日 株高・金利上昇・ドル安

(4日終値)

ドル・円相場:1ドル=146.62円(前営業日比▲1.64円)

ユーロ・円相場:1ユーロ=145.99円(△1.43円)

ユーロ・ドル相場:1ユーロ=0.9957ドル(△0.0208ドル)

ダウ工業株30種平均:32403.22ドル(△401.97ドル)

ナスダック総合株価指数:10475.25(△132.31)

10年物米国債利回り:4.16%(△0.01%)

WTI原油先物12月限:1バレル=92.61ドル(△4.44ドル)

金先物12月限:1トロイオンス=1676.6ドル(△45.7ドル)


※△はプラス、▲はマイナスを表す。


(主な米経済指標)    <発表値> <前回発表値>

10月米雇用統計

失業率           3.7%     3.5%

非農業部門雇用者数変化  26.1万人  31.5万人・改

平均時給(前月比)     0.4%     0.3%

平均時給(前年比)     4.7%     5.0%


※改は改定値、▲はマイナスを表す。


(各市場の動き)

・ドル円は反落。米雇用統計の発表直後に148.19円付近まで上昇したものの、その後は米長期金利の低下とともに進んだドル売りの流れに沿って146.56円まで反落。米金利の低下が一服すると147.34円近辺まで切り返す場面もあったが、週末を控えた持ち高調整の動きも進む中で戻りは限られた。エバンズ米シカゴ連銀総裁から利上げペースの減速について言及があったことも重しとなり、引けにかけては再び安値圏まで押し戻された。

 なお、この日発表された10月米雇用統計は強弱まちまちな内容。非農業部門雇用者数変化は26.1万人増と市場予想(20.0万人増)を上回った一方、失業率は3.7%と予想(3.6%)より弱い結果となった。


・ユーロドルは5営業日ぶりに大幅反発。全般にドル安が進んだ流れに沿った。米雇用統計の公表後は一時的に0.9753ドル付近まで弱含む場面も見られたが、すぐに買い戻しが優勢に。欧米株高を背景にしたリスクオンの買いも進み、一時0.9966ドルまで上値を伸ばした。


・ユーロ円は4営業日ぶりに反発。ユーロドルの上昇や株高などにつれて円売り・ユーロ買いが進み、146.14円まで本日高値を更新した。また、他のクロス円も堅調に推移し、ポンド円は一時166.98円まで上昇。リスクに敏感なオセアニア通貨も豪ドル円が95.09円、NZドル円が87.14円までそれぞれ値を上げた。


・米国株式市場でダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反発。相場は不安定な動きとなり、寄り付き後に610ドル超高まで上昇した後、米長期金利の上昇を受けて一時下げに転じる場面も見られた。もっとも、米連邦準備理事会(FRB)当局者から利上げペースの減速について言及があったことなどが支えとなり、引けにかけては再び買い戻しが進んだ。

 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も5営業日ぶりに反発した。


・米国債券相場で長期ゾーンは3日続落。10月米雇用統計が強弱まちまちな結果となったことを受け、その後の債券相場は売買が交錯。10年物国債利回りも上下に振れたが、総じて方向感は出なかった。


・原油先物相場は急反発。中国が「ゼロコロナ政策」の緩和を検討との報道を受け、経済活性化からエネルギー需要拡大が期待されてアジア時間から買いが強まっていた。NY勢の本格参入後もリスクオン地合いにも後押しされて上値を試す展開に。引けにかけて92ドル後半まで一段高となり、約1カ月ぶりの高値を更新した。


・金先物相場は大幅反発。中国が「ゼロコロナ政策」の緩和に動くとの期待感から商品市場全般に買いが優勢となるなか、金先物も時間外から1650ドル台を回復していた。注目された10月米雇用統計はまちまちな結果ではあったものの失業率が予想より悪化。結果を受けて為替市場ではドル安が進行し、それを追い風にドル建て金も上値を伸ばした。

為替情報部 アナリスト

岩間 大祐

大学卒業後の2004年に国内証券会社に入社。 外国為替証拠金取引業務に携わった後、金融情報サービス会社にて個人投資家向けの為替情報配信業務を担当。市況サービスのほか、テクニカル分析を軸にした情報を配信する。 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト。

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