当コラムでは「IG証券」のデモ口座で株価指数・FX・コモディティなどをトレードし、売買のタイミングや結果などを公開。証拠金は各100万円スタート。「IG証券」は「FX口座」「株価指数口座」「商品口座」「個別株口座」「債券先物口座」「その他口座」と多様な資産クラスがワンストップで提供されています。
ドル円、162.84円と39年半ぶりの高値を更新
今週、ドル円は1日の東京市場で一時162.84円と1986年12月以来約39年半ぶりの高値を更新しました。米金利先高観を背景にドル高が進んだほか、日本の財政悪化懸念や日銀の早期利上げ観測の後退が円売りを誘いました。6月15-16日の日銀金融政策決定会合を受けて日銀による早期利上げ期待が後退する一方、16-17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を受けて米連邦準備理事会(FRB)による利上げ観測が高まっており、引き続き円売り・ドル買いが出やすい地合いとなりました。

*Trading Viewより
ただ、そのあとは伸び悩む展開に。同日のNY市場ではウォーシュFRB議長が「ECBフォーラム」で「インフレ期待とインフレリスクがこの数週間で低下している」との認識を示し、米長期金利の低下とともにドル売りが先行。2日の6月米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比5.7万人増と予想の11.3万人増を下回ったほか、過去2カ月分の数値が下方修正されました。米利上げ観測の後退を受けてドル売りが優勢となりました。
また、現在でも政府・日銀による為替介入への警戒感は強まっていますが、今週は一部通信社が関係筋の話として「日本政府は為替介入をほのめかす『口先介入』の慣習を改め、投機筋を締め上げて円売りのコストを高める手法にかじを切りつつある」と報道。「不意打ち介入」への警戒感も高まりました。週末の3日は米国が独立記念日の振替休日で、米金融市場は外為を除き休場。市場では「流動性低下を狙って為替介入が行われるのではないか」との懸念が出ていました。
なお、片山さつき財務相はこの日の会見で「為替に関する具体的なコメントは控える」としたうえで、「為替政策、われわれの方針は何ら変わらない」「米当局と緊密に連携し、必要に応じていつでも適切に対応する」との考えを改めて示しています。
介入期待高まるも効果を疑問視 トレンド変わらず
ドル円は39年半ぶりの円安水準を更新しており、ニュース等見ていると、「『物を買う力』が低下しており、輸入物価ほど賃金が上がっていないことを考えると、日常生活では『負の影響』が出てきやすい」として、「円安のデメリット」を強調する報道が増えているようです。
ただ、マーケット参加者の間では、日米の金利差は依然として大きいため、急激な円高への転換は難しく、中長期的にも底堅い円安トレンドが続く可能性が高いと見られています。日銀の追加利上げが緩慢であれば、ドル円は165円から170円に向かう可能性も一部で指摘されています。「原油価格が下落してきたとしても、消費者物価が上振れしていく期間は相応に長いと考えられる。消費者物価が落ち着くまでの間はなかなか今の状況は変わらず、じりじりと円安が進んでいく可能性が高い」といいます。「当面は円安傾向が続く」との見立ては多く聞かれています。

一方で、市場参加者が期待(?)している政府・日銀による為替介入については効果を疑問視する声が多く聞かれています。政府・日銀が4月末に11兆円を投じた為替介入の効果は1カ月程度しか持たなかったうえ、海外投資家の間で円高方向にかける機運は乏しい状況。日銀の利上げペースが緩慢と見なされている状況下では、さらなる円安・ドル高を見込む声も当然と言えるでしょう。
なお、今週末3日は米国が独立記念日の振替休日で休場となったため、米商品先物取引委員会(CFTC)による建玉報告は公表されていません。参考までに先週末発表された6月23日時点の建玉報告によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物市場で非商業部門(投機筋)の円の対ドル持ち高は14万6104枚の円売り越し(ドル円のロング)となっています。その前の週の15万132枚(2024年7月16日以来の水準)と比べるとやや円売りポジションは減っていますが、依然として大きな偏りが見られます。今週の動きを見ると、さらに円売りポジションが増えている可能性もありそうです。

*CFTCのデータを基にDZHフィナンシャルリサーチ作成
ドル円の一目均衡表チャートを見ると
ドル円の一目均衡表チャートを見ると、週末の終値(161.34円)で雲の下限157.88円、上限158.50円、基準線160.97円は上回っていますが、転換線161.67円は下回っています。

*Trading Viewより
「政府・日銀による為替介入の効果は一時的」との見方が依然として根強い中、構造的なドル高の地合いが強いなかでは、再び介入が実施されて急落する局面があっても、押し目を拾われる可能性が高いと考えます。「介入で下落したときは、絶好の買い場」と受け止め、来週以降も押し目を待つ週となりそうです。
なお、今後は「不意打ち介入」の可能性もあるため、これまでのように【ご外出の時もお休みの時もスマホを離さずに】【これは最後の退避勧告】などと、買いのタイミングを事前に告知してはもらえないかもしれません。平日は24時間スマホが手放せず、寝不足に陥る可能性もありそうです。
【免責事項・注意事項】
本コラムは個人的見解であり、あくまで情報提供を目的としたものです。いかなる商品についても売買の勧誘・推奨を目的としたものではありません。また、コラム中のいかなる内容も将来の運用成果または投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。最終的な投資決定はお客様ご自身の判断でなさるようにお願いします。



