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ドル円、高値更新も値幅は極狭
今週のドル円は小幅ながらも上昇し、25日には161.95円と2024年7月の高値に面合わせしました。15-16日の日銀金融政策決定会合を受けて日銀による早期利上げ期待が後退する一方、16-17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を受けて米連邦準備理事会(FRB)による利上げ観測が高まっており、今週も円売り・ドル買いが出やすい地合いとなりました。ただ、162円の大台を前に政府・日銀による為替介入への警戒感は高まっており、積極的に上値を試す展開にはならず。今週の値幅はなんと87銭。再び1円未満のレンジとなりました。

*Trading Viewより
ウォーシュFRB議長のデビュー戦になった6月17日のFOMC終了後の記者会見では、多くの市場参加者に「タカ派的な印象」を与えました。フェデラルファンド(FF)金利先物は利上げ織り込みを加速し、年内に少なくとも1回の利上げがある確率は足もとで80%を超えています。簡素化されたFOMC声明文では末尾に「委員会は物価安定を実現する」と明記され、FRBは「物価安定」と「最大雇用」という2つの責務(デュアル・マンデート)を負っていますが、声明文は締めくくりで「物価安定」のみを強調した形となっています。
これでは米利上げ観測が高まるのは当然。ユーロドルに至っては24日に一時1.1325ドルと昨年5月以来約1年1カ月ぶりの安値を付けています。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時101.80と昨年5月以来の高値を更新しています。ドル円は大きな「ドル高」の流れにありながらも、政府・日銀による為替介入への警戒感が上値を抑えており、市場では介入が行われるのか否かを見極めるべく、神経質な展開が続いている状況です。これでは自然と値幅も狭くなるというもの。なお、上値を抑える要因としては、国内の個人投資家による「為替介入」を期待した円ロング(ドル円のショート)もあるようです。
投機筋の円売りVS個人の円買い
米商品先物取引委員会(CFTC)が26日(日本時間27日早朝)に発表した6月23日時点の建玉報告によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物市場で非商業部門(投機筋)の円の対ドル持ち高は14万6104枚の円売り越し(ドル円のロング)となり、前週から4028枚減少しました。ただ、減少は僅かであり、その前の週(15万132枚の円売り越し)は2024年7月16日以来の水準となっています。

*CFTCのデータを基にDZHフィナンシャルリサーチ作成
一方で、海外投機筋が円安を見込んで円ショート(ドル円のロング)を拡大させる中、国内の個人投資家は相場の流れに逆らう「逆張り」の姿勢を崩していません。個人投資家の間では、「政府・日銀による為替介入」を期待して円ロング(ドル円のショート)を積み増す動きが過去最大級に広がっているといいます。店頭FX業者4社のデータでは、ドル円取引における「ドル買い(円売り)ポジション」の比率が過去最低水準を記録するなど、歴史的な円高・ドル安期待を背景としたポジションが目立っています。
ドル円の一目均衡表チャートを見ると
ドル円の一目均衡表チャートを見ると、週末の終値(161.74円)で雲の下限157.88円、上限157.97円、基準線160.35円、転換線161.00円を全て上回っており、テクニカル的にも上サイドへの期待が高まる状況となっています。

*Trading Viewより
「政府・日銀による為替介入の効果は一時的」との見方が依然として根強い中、構造的なドル高の地合いが強いなかでは、再び介入が実施されて急落する局面があっても、押し目を拾われる可能性が高いと想定しています。「介入で下落したときは、絶好の買い場」と受け止め、来週以降も押し目を待つ週となりそうですが、そもそも「この狭いレンジでは介入の理由にならない」との指摘もあります。
為替介入の実施については、「単純な値幅」や「水準」だけで決まるわけではありません。当局が最も重視するのは値動きのスピード。短期間で急激に変動する「スピード違反」が見られた場合、マーケットの混乱を抑える目的で実施されます。そう考えると、介入=ポジションの構築の機会すらないかもしれません(押し目待ちに押し目なし)。
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