(11日終値)
ドル・円相場:1ドル=137.44円(前営業日比△1.34円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=137.96円(▲0.69円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0040ドル(▲0.0145ドル)
ダウ工業株30種平均:31173.84ドル(▲164.31ドル)
ナスダック総合株価指数:11372.60(▲262.71)
10年物米国債利回り:2.99%(▲0.09%)
WTI原油先物8月限:1バレル=104.09ドル(▲0.70ドル)
金先物8月限:1トロイオンス=1731.7ドル(▲10.6ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ユーロドルは反落。ロシア産天然ガス供給への不透明感が高まる中、エネルギー価格高騰が欧州の景気を一段と冷え込ませるとの見方からユーロ売り・ドル買いが優勢となった。前週末発表の6月米雇用統計が米労働市場の底堅さを示したことを受けて、米連邦準備理事会(FRB)が積極的な金融引き締めを継続するとの見方もドル買いを誘った。5時前に一時1.0034ドルと2002年12月以来の安値を更新し、1ユーロ=1ドルのパリティ(等価)割れをうかがう展開となった。
なお、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時108.27と02年10月以来約20年ぶりの高値を付けた。
・ドル円は6日続伸。日本では参議院選挙で自民党が大勝したため、日銀が大規模な金融緩和策を継続するとの見方が強まった一方、米国ではFRBが積極的な金融引き締めを継続するとの見方が根強い。日米金融政策の方向性の違いが改めて意識されると、円売り・ドル買いが先行し一時137.75円と1998年9月以来約24年ぶりの高値を更新した。
ただ、買い一巡後は伸び悩む展開に。急ピッチで上昇した反動が出たほか、米10年債利回りが2.96%台まで低下したことが相場の重しとなり、一時137.26円付近まで下押しした。
・ユーロ円は反落。エネルギー価格高騰による欧州景気の悪化を警戒したユーロ売りが優勢となり、5時前に一時137.89円と日通し安値を付けた。米国株相場の下落も相場の重し。
なお、独露をつなぐ天然ガスの主要パイプライン「ノルドストリーム」はこの日、定期検査のためガス供給が停止した。毎年恒例の検査だが、市場では「経済制裁やウクライナへの武器供与を理由に、露側が検査終了後も供給停止を続ける恐れがある」との警戒が高まっている。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続落。中国の新型コロナの感染再拡大や、ロシアから欧州への天然ガス供給の停止が世界景気の減速を招くとの観測が相場の重しとなった。NY午後に入り、指数はプラス圏を回復する場面もあったが戻りは鈍く、引けにかけて再び売りが強まった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は6日ぶりに反落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは4日ぶりに反発。中国の新型コロナ感染再拡大や、ロシアから欧州への天然ガス供給の停止が世界景気の減速を招くとの観測が安全資産とされる米国債の買いを誘った。米国株の下落も相場の支援材料。
・原油先物相場は3日ぶりに小幅な反落。中国で感染力の強いとされる系統の新型コロナの感染が確認され、検査や行動規制が再び強化される動きを嫌気。中国のエネルギー需要が弱まるとの見方が原油相場を圧迫した。ロシア産原油の輸出規制も、供給制約による価格高騰より、欧州など西側諸国の経済に打撃を与えて需要を低下させるとの懸念を誘いやすくなっている。
・金先物相場は3日ぶりに反落。欧州通貨や資源国通貨ほか多くの通貨に対してドルが買われた。ドル建て換算の金価格に割高感が生じたほか、ドルの代替資産としての金の相対的な価値低下が意識された。