ダウ658ドル高と反発 大幅利上げ見通しが後退

15日のNY株式相場は大幅高。7月米連邦公開市場委員会(FOMC)での1%の大幅利上げ見通しが後退したことや、経済指標が強い結果となったことに加え、前日の下落の一因となった金融株が好決算を背景に大きく上昇したことも相場を押し上げた。

ダウ平均は終日プラス圏で推移し、658.09ドル高(+2.15%)の31288.26ドルと一日の高値で終了。S&P500も1.92%高とほぼ高値引けし、ともに6営業日ぶりに反発。

ハイテク株主体のナスダック総合は1.79%高と2日続伸した。

ただ、週間では、ダウ平均が0.16%安、S&P500が0.93%安、ナスダック総合1.57%安とそろって反落した。


ダウ平均採用銘柄は好決算を発表したユナイテッドヘルスが5.44%高となり、金融のJPモルガン・チェース、アメリカン・エキスプレス、ゴールドマン・サックスが4%超上昇。セールスフォース、ウォルト・ディズニー、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンスも3%超上昇した。

S&P500の業種別指数は、金融の3.51%高を筆頭に全11セクターが上昇。ヘルスケア、コミュニケーションが2%超上昇し、エネルギー、IT、一般消費財なども1%超上昇した。



インフレが進む中で、米国の消費関連の経済指標が良好だったことで景気後退への警戒感がやや和らいだ。6月小売売上高は前月比+1.0%と市場予想の+0.8%を上回り、前月分も-0.3%から-0.1%に上方修正された。7月ミシガン大消費者信頼感指数速報値も51.1と予想の49.9を上回った。


今週13日に発表された米6月消費者物価指数(CPI)が約41年ぶりの高い伸びとなったことで7月26-27日に開催されるFOMCでの1%の大幅利上げ見通しが強まったが、この日は、ボスティック米アトランタ連銀総裁やブラード米セントルイス連銀総裁が1%利上げに否定的な見方を示したほか、6月FOMCでの0.75%の大幅利上げ決定の一因とされたミシガン大5年先インフレ率が6月の3.1%から7月(速報値)は2.8%に低下したことも7月FOMCでの1%利上げ見通しの後退につながった。


決算発表銘柄は4-6月期の収入と利益が市場予想を上回ったシティグループが13.2%高と急伸。収入が予想を下回ったものの、利益が予想を上回ったウェルズ・ファーゴも6.2%上昇した。売上高と利益が予想を上回ったユナイテッドヘルスは5.4%高となり、1銘柄でダウ平均を180ドル押し上げた。


国際金融情報部 アナリスト

羽土 美幸

富山県出身。国内証券で株式等の営業、仏系証券でポートフォリオ分析、転換社債、エクイティ・デリバティブの分析・開発・営業などを担当。 2014年からDZHフィナンシャルリサーチにおいて米国株式、金融市場レポート編集、海外ETF業務を担当。

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