エヌビディアの4Q決算はデータセンター向けが好調

先週の米国株は主要3指数がそろって大幅安

先週の米国市場では、ダウ平均が3.0％安と大幅に4週続落し、S&P500が2.7％安と3週続落。ハイテク株主体のナスダック総合も3.3％安と大幅に反落しました。

21日に発表された米2月S&Pグローバル製造業・サービス業PMI速報値が市場予想を上回る強い結果となったうえ、米連邦準備理事会（FRB）がインフレ指標として注目する24日発表の米1月個人消費支出（PCE）価格指数も市場予想を上回る伸びとなったことで利上げの長期化見通しが強まりました。

小売り大手のホーム・デポの決算が予想を下回り、通期の減益見通しを発表したことも投資家心理の悪化につながりました。

決算発表銘柄はコーテラー・エナジー、エヌビディアが大幅高

終盤戦を迎えた米企業の第4四半期決算は、先週はS&P500採用の61銘柄が第4四半期決算を発表し、そのうち69％の42銘柄で調整後一株当たり利益が市場予想を上回りました。

予想を上回る決算が好感されたコーテラー・エナジーが週間で9.2％高、エヌビディアが8.9％高、アンシスが7.6％高、ダイヤモンドバック・エナジーが5.7％高となった一方、決算や見通しが嫌気されたドミノ・ピザ、モデルナ、キーサイト・テクノロジーズ、オートデスクが2桁安と急落し、アメリカン･タワー、ホーム・デポ、イーベイも6％超下落しました。

半導体製造のエヌビディアは予想を上回る決算や強い見通しなどが好感され、株価は年初から8週続伸し、年初来で59.3％高となりました。

エヌビディアの第4四半期（11-1月）決算はデータセンター向けが好調

エヌビディアが2月22日引け後に発表した2023年度第4四半期（11-1月）決算は、売上高が前年同期比21％減の60億5100万ドルとなりましたが市場予想の60億600万ドルを若干上回りました。

純利益も同35％減の21億7400万ドルとなりましたが、調整後の一株当たり利益は0.88ドルと市場予想の0.81ドルを上回りました。

製品別売上高は、売上高の6割を占める人工知能（AI）チップを含むデータセンター向けが前年同期比11％増の36億1600万ドルと好調で、2023年度通期では前年比41％増の150億500万ドルとなりました。

売上高の3割を占めるゲーミング向けは前年同期比46.5％減の18億3100万ドルとなりましたが、前四半期比では16％増となり、3四半期ぶりに前四半期比で増収に転じました。

決算や強い見通しを受けてアナリストの目標株価引き上げが相次ぐ

決算が予想を上回ったことに加え、強い見通しも好感されました。エヌビディアは2024年度第1四半期（2-4月）の売上高見通しを65億ドル±2％とし、アナリスト予想平均の63億1000万ドルを上回りました。

同社は、複数のクラウド サービス プロバイダーと提携し、人工知能プログラムを開発する環境「AI-as-a-service」を通じ、企業にAIプラットフォームへのアクセスを提供しています。

同社のジェンスン フアン最高経営責任者（CEO）は、AIは重要な変曲点にあり、あらゆる業界に幅広く採用される準備が整っていると、先行きの市場拡大に強い自信を示しました。

決算や強い見通しが好感されアナリストの目標株価の引き上げが相次ぎました。

オッペンハイマーは、AIクラウド サービスを評価し、投資判断を「アウトパフォーム」で据え置き、目標株価を250ドルから275ドルに引き上げました。

パイパー サンドラーはAI分野の成長見通しに加え、ゲーム・セグメントの底入れ見通しを理由に目標価格を225ドルから275ドルに引き上げました。

シティも投資判断を「バイ」で据え置き、目標株価を210ドルから245ドルに引き上げました。

リフィニティブが集計するアナリスト44人の投資判断は、「強気買い」が11人、「買い」が20人、「保有」が12人、「売り」が1人で、目標株価の中央値は257.50ドルと、1カ月前の200.00ドルから大きく上昇しました。

株価は週明け27日の取引でも一時、前日比5.93ドル高(+2.6％)の238.79ドルまで上昇し、2.15ドル高(+0.9％)の235.01ドルで終了。年初来では60.8％高となりました。