米国株2月月間回顧: 主要3指数がそろって反落 ダウはマイナス圏に

2月は主要3指数がそろって反落 ダウ平均はマイナス圏に


2月の米国市場では、ダウ平均が4.2%安、S&P500が2.6%安、ナスダック総合が1.1%安と3指数がそろって反落しました。


総じて強い経済指標や米連邦準備理事会(FRB)高官のタカ派発言を受けて利上げの長期化見通しが強まったことや、米10年債利回りが大幅に上昇したことで中旬以降に売りが強まりました。


2月3日に発表された米1月雇用統計や米1月ISM非製造業PMIが強い結果となったことで米10 年債利回りが上昇しましたが、パウエルFRB議長がインフレの鈍化が始まっているとの認識を繰り返し表明したことで、利上げの打ち止め期待が高まり、主要指数は中旬まで底堅く推移しました。


しかし、その後発表された米1月消費者物価指数(CPI)や米1月小売売上高なども予想以上に強い結果となったほか、ブラード米セントルイス連銀総裁などFRB高官からタカ派発言が相次いだことで金融引き締めの長期化懸念が強まりました。


下旬は米2月S&Pグローバル製造業・サービス業PMI速報値が予想を上回り、FRBがインフレ指標として注目する米1月個人消費支出(PCE)価格も市場予想を上回る伸びとなったことで利上げの長期化見通しが一段と強まりました。


米10年債利回りは1月末の3.52%台から月末28日に3.98%台まで上昇し、4%に迫りました。

政策金利の動向に敏感な米2年債利回りは1月末の4.20%台から下旬に4.85%台まで上昇しました。


決算発表は好悪まちまち


第4四半期決算発表後半戦は、S&P500採用の314銘柄が発表を終え、このうち71%の223銘柄で調整後の一株当たり利益が市場予想を上回りました。

決算や見通しが好感されたエヌビディア、メタ・プラットフォームズが17-18%高と急伸した一方、

決算や見通しが嫌気されたアルファベット、アマゾン・ドット・コム、ホーム・デポ、ウォルト・ディズニーが8%超下落しました。


セクター別ではS&P500の1セクターが上昇し、10セクターが下落


2月はS&P500の11セクターのうち、1セクターが上昇し、10セクターが下落しました。


騰落率上位は、ITが0.3%高と唯一上昇し、資本財、一般消費財、金融、生活必需品が1-2%下落したものの、S&P500(-2.6%)をアウトパフォームしました。

一方、騰落率下位は、エネルギー、公益、不動産が6-7%下落し、ヘルスケア、コミュニケーションも4%超下落しました。


唯一上昇したITでは、予想を上回る決算やアナリストの目標株価引き上げが好感されたエヌビディアが18.8%高と急伸したほか、時価総額最大のアップルもアナリストの強気な見方を受けて2.2%上昇しました。



ダウ平均採用銘柄は3銘柄が上昇、27銘柄が下落


ダウ平均採用銘柄は、2月は月間で3銘柄が上昇し、27銘柄が下落しました。


JPモルガン・チェースが2.4%高、アップルが2.2%高、マイクロソフトが0.6%高と上昇した一方、インテルが11.8%安と急落し、ホーム・デポ、アムジェン、ウォルト・ディズニー、ハネウェルが8%超下落。シェブロン、ナイキ、ベライゾン、スリーエム、ジョンソン&ジョンソンも6%超下落しました。


年初来では、セールスフォースが23.4%高となったほか、アメリカン・エキスプレス、ウォルト・ディズニー、ダウ・インク、アップルも13-17%高となりました。

一方、ジョンソン&ジョンソン、アムジェン、ハネウェル、シェブロン、ユナイテッドヘルス、スリーエムが2桁の下落となりました。


国際金融情報部 アナリスト

羽土 美幸

富山県出身。国内証券で株式等の営業、仏系証券でポートフォリオ分析、転換社債、エクイティ・デリバティブの分析・開発・営業などを担当。 2014年からDZHフィナンシャルリサーチにおいて米国株式、金融市場レポート編集、海外ETF業務を担当。

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