9日のNY株式相場は大幅安。新規失業保険申請件数が予想以上に増加したことを好感し上昇してスタートしたものの、増資を発表した地銀のSVBファイナンシャルが60%超暴落し、金融株が軒並み安となったほか、翌日の米2月雇用統計の発表を控えた警戒感の高まりも重しとなった。
ダウ平均は543.54ドル安(-1.66%)の32254.86ドルと大幅に3日続落。朝方に192ドル高まで上昇したものの、終盤に607ドル安まで下落した。
S&P500も1.85%安の3918.32ポイントと反落し、ハイテク株主体のナスダック総合は2.05%安の大幅反落となった。
SVBファイナンシャルの暴落を受けて金融株はバンク・オブ・アメリカ(BofA)が6.20%安、ウェルズ・ファーゴが6.18%安、JPモルガン・チェースも5.41%安と軒並み大幅安。
S&P500の業種別指数は、金融の4.10%安を筆頭に全11セクターが下落した。
寄り前に発表された新規失業保険申請件数は21.1万件と市場予想の19.5万件を上回り、労働市場の悪化が利上げ長期化への警戒感を和らげたものの、増資や業績見通しの下方修正が嫌気されSVBファイナンシャルが暴落したことで、センチメントが悪化した。
翌日に発表される2月雇用統計は、非農業部門雇用者数(NFP)が20.5万人増と、1月分の51.7万人増から大きく減少すると予想されているが、今週発表された米2月ADP民間部門雇用者数や米2月JOLTS求人件数が予想以上に強い結果となったことで、上振れリスクも警戒された。
投資家の不安心理を示すVIX指数は前日の19.11ポイントから22.61ポイントに大きく上昇した。