NYマーケットダイジェスト・14日 株高・金利上昇・円安

(14日終値)

ドル・円相場:1ドル=134.22円(前営業日比△1.01円)

ユーロ・円相場:1ユーロ=144.05円(△1.09円)

ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0733ドル(△0.0002ドル)

ダウ工業株30種平均:32155.40ドル(△336.26ドル)

ナスダック総合株価指数:11428.15(△239.31)

10年物米国債利回り:3.69%(△0.12%)

WTI原油先物4月限:1バレル=71.33ドル(▲3.47ドル)

金先物4月限:1トロイオンス=1910.9ドル(▲5.6ドル)


※△はプラス、▲はマイナスを表す。


(主な米経済指標)     <発表値>   <前回発表値>

2月米消費者物価指数(CPI)

前月比            0.4%      0.5%

前年比            6.0%      6.4%

エネルギーと食品を除くコア指数

前月比            0.5%      0.4%

前年比            5.5%      5.6%


※改は改定値、▲はマイナスを表す。


(各市場の動き)

・ドル円は4日ぶりに反発。米国株相場が上昇して始まるとリスク・オフの巻き戻しによる円売り・ドル買いが先行。米2年債利回りが41bp超上昇するなど、米金利上昇に伴う円売り・ドル買いも出て23時前に一時134.90円と日通し高値を更新した。

 前日にかけて急落した銀行株が買い直されたことで、NYダウは一時480ドル超上昇した。2月米消費者物価指数(CPI)が前年同月比6.0%上昇と市場予想通り8カ月連続で鈍化したことも投資家心理の改善につながり株買いを誘った面もあった。

 ただ、NYダウが下げに転じるとドル円の上値も重くなり、4時過ぎには一時133.99円付近まで下押しする場面があった。米銀の相次ぐ破綻による金融システムへの不安は根強いようだ。


・ユーロドルは小幅ながら4日続伸。日本時間夕刻に一時1.0679ドルと日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。複数の米銀破綻を受けて金融システムリスクへの警戒が広がる中、米金融当局が前週末に預金の全額保護や資金供給などの救済策を発表。この日の欧米株価が反発したことで、リスク・オフの巻き戻しによるユーロ買い・ドル売りが優勢となった。4時前に一時1.0750ドルと日通し高値を更新した。


・ユーロ円は4日ぶり反発。アジア株相場の下落を背景にリスク回避の円買い・ユーロ売りが入ると一時142.54円と日通し安値を付けたものの、欧米市場では一転買い戻しが進んだ。欧米株価の反発で投資家のリスク志向が改善し円売り・ユーロ買いが優勢になった。23時過ぎには144.41円と日通し高値を更新した。


・米国株式市場でダウ工業株30種平均は6日ぶりに反発。米金融当局が前週末に預金の全額保護や資金供給などの救済策を発表したことで、投資家のリスク回避姿勢が和らぎ買い戻しが進んだ。前日までに5日続落し昨年10月以来の安値を付けたあとだけに、短期的な戻りを期待した買いも入った。ただ、銀行の相次ぐ破綻による金融システムへの不安は根強く、指数は下げに転じる場面もあった。

 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続伸した。


・米国債券相場で長期ゾーンは4日ぶりに反落。米国株相場の上昇を受けて投資家のリスク回避姿勢が和らぐと、相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。


・原油先物相場は続落。米株が反発すると原油先物にも買いが集まる場面もあったが、米金融不安が引き続き上値が重く続落して引けた。引けにかけては米株高の勢いが弱まると、原油先物は71ドル台前半まで下げ幅を広げた。


・金先物相場は4日ぶりに反落。この3営業日は米金融不安により、安全資産とされる金先物は大幅に続伸していたが、本日は米株が反発、米債も売られるなど、過度なリスク回避の動きが弱まったことで4日ぶりに反落して引けた。

為替情報部 アナリスト

中村 知博

鹿児島出身。2007年国際金融情報サービス会社に入社。 外国為替取引会社・金融機関への24時間リアルタイム金融情報サービスの為替記者として従事。市場動向や見通しなどを解説する動画サービスの業務も経験。 2017年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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