「あの株はいまいくら?」では、話題になった銘柄の現状を確認します。今回はジグザグ(340A)みていきます。
同社は海外カスタマー向け購入支援サービス「WorldShopping」と、国内ECサイト向け越境EC支援サービス「WorldShoppingBIZ」からなる越境ECプラットフォームを提供しています。
「WorldShopping」は、海外対応していない国内ECサイトであっても同社が海外カスタマーから注文を受け付け、代わりに購入して海外配送まで提供します。
同社が間に入り多言語カスタマーサポートを提供するとともに、海外カスタマーの利便性に配慮した多様な決済手段を提供することで、海外カスタマーは安心・安全に海外対応できていないECサイトの商品を購入することが可能になるとしています。
「WorldShoppingBIZ」は、国内ECショップ向けに上記の「WorldShopping」の機能を設置可能とする越境EC対応サービスです。ECサイト側がサービス開始に必要となるのは、ECサイトに当社の発行するJavaScriptタグを1行追加するという工程のみ。データ連携やシステム改修は一切不要であり、導入後最短1日で世界228の国と地域への海外対応が可能になるとしています。
同社の上場については、業績が順調に拡大していることなどから、堅調な初値形成が予想されていました。では、ジグザグの上場からの株価の動きをみていきます。
ジグザグの株価推移(上場から2025年7月18日まで)
2025年3月31日に東証グロースに上場した同社の初値は2030円と公開価格1500円を大きく上回りました。初値形成後も堅調な展開となり、2199円まで上値を伸ばしましたが、その後はやや売りに押され上場初日の終値は2080円となりました。
上場2日目からは一転して軟調な展開。あっさりと2000円の大台を下回ると、ずるずると5日続落となり、4月7日の終値は1313円と公開価格1500円を下回りました。なお、同日は安値引けとなっており、この1313円が現時点(2025年7月16日)の上場来安値となっています。
ただ、大きく下げたことで、割安感が出てきたこともあり、ここから切り返しの動きになりました。4月8日の終値は1610円となり、あっさり公開価格1500円を上回る水準を回復。堅調な株価推移が続くなかで、上場後初の決算発表を迎えます。
同社は2025年4月14日に25.5期3Q累計(6-2月)の決算を発表し、営業利益は2億6600万円となりました。25.5期通期の営業利益予想2億8500万円に対する進ちょくは93.3%となり、通期の上振れも期待できる好調な着地となりました。
決算発表を受けて翌15日に株価は売りが優勢となりました。これは進ちょくが良いにもかかわらず通期業績の修正がなかったことや、決算期待で株価が上場していたことが要因と考えられます。
ただ、一時的に売られたものの、決算の内容が良かったことからその後の株価は上昇トレンドとなります。5月半ばには2000円の大台を回復。6月は2000円台前半でのもみ合いが続きましたが、7月に入り一段高となり、7月2日に2793円まで上昇しました。なお、この2793円が現時点(2025年7月16日)の上場来高値となっています。
その後の株価は上場来高値からはやや水準を切り下げましたが2000円台半ばという高値圏で、25.5期通期の決算発表を迎えました。
同社は2025年7月14日に25.5期通期の決算を発表。営業利益は3億2200万円(前期比45.9%増)となり、会社計画2億8500万円を上回る着地となりました。なお、26.5期の営業利益予想は3億2800万円(前期比1.8%増)と小幅な増益にとどまる見通しとしています。これは、事業規模の拡大に伴う人員に対する投資およびプロダクト開発に対する投資を行うことを想定したとのことです。
この決算を受けて翌15日の株価はストップ安。26.5期の利益の伸びが物足りないと受け止められたことが要因と考えられます。その後も売りが続き7月18日の終値は1697円となり、公開価格1500円が視野に入る水準まで下落しています。
【ジグザグの日足チャート(上場から2025年7月18日まで)】
今後について
株価は高値から大きく下落していますが、今期の小幅増益見通しにより安定した利益成長が続くとの期待がはく落したことや、バランスをとりながら投資を行うとは思うものの四半期で減益となる可能性があることには注意が必要です。
同社株の購入ですが、公開価格を下回る局面が来るようであれば、拾っておくのもよいと思います。ただ、基本的には今期は様子見とし、来期以降に人材や開発の投資の成果が出始めることを確認してからがよいと考えます。