7月に権利確定日を迎える銘柄は数が少ないため、配当や株主優待を重視する投資家にとっては狙い目の月です。今回は、株主優待が魅力的で人気の高い「モロゾフ」と「カラダノート」について、株価や配当、株主優待の内容など、7月の権利確定日までに押さえておきたいポイントを分かりやすく解説します。
モロゾフ(2217)
モロゾフは、チョコレートや焼菓子、プリンなどを製造・販売する老舗洋菓子店です。直営店や百貨店での販売だけでなく、スーパーやコンビニでも取り扱われており、バレンタインにチョコレートを贈る文化を日本に広めた企業とされています。
モロゾフの株価
2025年6月時点の株価は約1600円です。2012年まで500円以下だった株価は2013年頃からゆるやかに上昇し、2017年には約1300円まで上昇しました。2019年にかけて約800円まで下落したものの、2022年頃から再び上昇傾向が続いています。
モロゾフの配当金は連続減配
2026年度の配当金は、7月末の中間配当で6円、1月末の期末配当にて8円の、年間1株当たり14円となる予想です。この金額は、2024年度の32.66円、2025年度の27.33円から2期連続で減配となっています。
株主優待はバレンタインに使える
モロゾフの株主優待は、毎年7月末の権利確定日に、100株以上の株式を保有する株主に対して、株式の保有数および保有年数に応じて贈呈されます。
贈呈される株主優待の内容は、自社商品もしくは割引券で、300株以上保有する株主は、贈呈内容を選択することが可能です。株式の保有数に応じて贈呈される株主優待の内容は、下記の一覧表をご確認ください。
1冊につき20枚つづられた割引券は、指定店もしくはオンラインストアでのみ利用可能ですが、1枚につき1000円までの購入金額から20%が割引になります。最大約4000円相当となるため、自社商品を選択するよりお得です。
自社商品および割引券は11月下旬頃に発送されます。割引券の有効期限は翌年5月末までとなっており、バレンタインデーやホワイトデーのタイミングに合わせて利用することができます。
モロゾフの利回り
1株1600円で100株購入した場合、投資金額は16万円です。配当金は1400円なので配当利回りは約0.9%になります。また、初年度は年間で約1000円相当の株主優待が贈呈されるため、優待利回りは約0.6%、配当と優待を合わせた利回りは約1.5%です。株式の保有数および保有年数に応じた優待利回りの一覧は、下記の表をご参考ください。
カラダノート(4014)
カラダノートは、「ママびより」などの子育てアプリや保険代理業、ウォーターサーバー、ヘルスケアアプリなどの暮らしを支えるサービスを提供する企業です。また、「かぞくアシスタント」などの顧客と企業を繋ぐマーケティング事業も行っています。
カラダノートのプレゼントが怪しい理由
カラダノートは妊娠・育児中の人を対象とした無料プレゼントを実施しています。プレゼントをもらうために入力された個人情報は、カラダノートが事業として行っている「顧客と企業を繋ぐマーケティング」に利用されます。つまり、個人情報を元に保険などの勧誘電話が来るということです。
応募画面に明記はされていますが、プレゼントに応募しただけのつもりが急に保険の勧誘電話がかかってきたとなれば、怪しいと感じるかもしれません。しかし、怪しい勧誘や個人情報が漏れているわけではないので、安心してください。
カラダノートの株価
2025年6月時点の株価は約500円です。2020年の上場当初は約2000円の株価でしたが、2022年頃から下落が始まり、現在もまだゆるやかな下落が続いています。赤字決算が続いており業績も伸び悩んでいるため、株価が上昇するのはまだ先だと見られています。
配当金は無配当
カラダノートの2026年度の配当金は無配当となる見込みです。カラダノートは上場以来一度も配当金が出されていません。
株主優待はウォーターサーバーの契約が必要
カラダノートの株主優待は、毎年7月末の権利確定日に、100株以上の株式を保有する株主に対して、宅配水サービス「カラダノートウォーター」で使えるミネラルウォーター1セットが贈呈されます。
株主優待を受け取るためには、「カラダノートウォーター」の契約が必要です。また、株主本人と契約者が異なる場合、同一世帯の家族であっても株主優待を受け取ることができません。カラダノートウォーターの契約者名は変更が可能なので、すでに株主以外の家族が契約している場合は、株主名に変更すれば受け取ることが可能になります。
カラダノートの利回り
1株500円で100株購入した場合、投資金額は5万円です。配当金はありませんが、年間で3974円相当の株主優待が贈呈されるため、優待利回りは約7.9%になります。
まとめ
「モロゾフ」と「カラダノート」について解説しました。
モロゾフは有名ブランドの洋菓子がお得に手に入る魅力的な株主優待が人気ですが、利回りは高くありません。一方、カラダノートは利回りが非常に高いものの、株主優待をもらうためにはウォーターサーバーを契約しなければならない条件があることには、十分注意が必要です。
どちらも7月に権利確定日を迎える銘柄の中では非常に人気があります。しかし、人気だからとすぐに投資するのではなく、それぞれのメリットとデメリットを把握した上で、慎重に検討することをおすすめします。