NYダウ90ドル安と5日続落 ナスダック総合は3日ぶりに反発

13日のNY株式相場は高安まちまち。先週のシリコンバレーバンク(SVB)に続いてシグネチャー・バンクも経営破綻したことで金融株が続落したものの、米連邦準備理事会(FRB)が3月21-22日に開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを見送るとの観測が支えとなった。


ダウ平均は一時284ドル安まで下落後、90.50ドル安(-0.28%)と5日続落して終了し、S&P500も0.15%安と小幅に3日続落した。

一方、ハイテク株主体のナスダック総合は0.45%高と3日ぶりに反発した。


S&P500の11セクターは金融、エネルギー、素材など4セクターが下落した一方、不動産、公益、ヘルスケア、ITなど7セクターが上昇した。


ダウ平均採用銘柄はアムジェン、マイクロソフトが2%超上昇したものの、アメリカン・エキスプレスが4.87%安、ゴールドマン・サックスが3.71%安となり2銘柄でダウ平均を133ドル押し下げた。


米財務省とFRBなどが12日に共同で声明を発表し、SVBの預金について預金保険の範囲外も含めて全額を保護すると異例の決定をしたものの、仮想通貨業界のメインバンクの一つでもあるシグネチャー・バンクも12日に経営破綻したことで金融不安が続いた。


地銀のファースト・リパブリックが61.83%安と暴落したほか、シティグループが7.45%安、バンク・オブ・アメリカが5.81%安と大手行も軒並み大幅安となった。


貸し出しが鈍るとの見方から景気敏感株も総じて軟調となった一方、3月FOMCでの0.50%の利上げ見通しが後退し、年内の利下げ転換も意識されたことがハイテク・グロース株の支えとなった。


国際金融情報部 アナリスト

羽土 美幸

富山県出身。国内証券で株式等の営業、仏系証券でポートフォリオ分析、転換社債、エクイティ・デリバティブの分析・開発・営業などを担当。 2014年からDZHフィナンシャルリサーチにおいて米国株式、金融市場レポート編集、海外ETF業務を担当。

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