(15日終値)
ドル・円相場:1ドル=133.42円(前営業日比▲0.80円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=141.07円(▲2.98円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0577ドル(▲0.0156ドル)
ダウ工業株30種平均:31874.57ドル(▲280.83ドル)
ナスダック総合株価指数:11434.05(△5.90)
10年物米国債利回り:3.45%(▲0.24%)
WTI原油先物4月限:1バレル=67.61ドル(▲3.72ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=1931.3ドル(△20.4ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは5日ぶりに反落。スイス金融大手クレディ・スイス・グループ(CS)を巡り、「筆頭株主のサウジ・ナショナル・バンクは追加投資をする意向がない」と報じられると、同行の株価が急落。米銀の破綻が相次ぐ中、欧州でも銀行の経営不安が広がったことから、投資家がリスク回避姿勢を強めユーロ売り・ドル買いが優勢となった。1時前には一時1.0516ドルと1月6日以来の安値を更新した。
ただ、「スイス当局とCSは同行を安定させるための選択肢について討議している」との報道が伝わると、リスク回避の動きが若干和らぎ買い戻しが優勢に。4時過ぎは1.0592ドル付近まで下げ幅を縮めた。
なお、スイス中銀(SNB)とスイス金融市場監督機構(FINMA)は共同で声明を出し、「CSはシステム上重要な銀行に課される資本および流動性要件を満たしている」「必要ならCSに流動性を供給する」と表明した。
・ドル円は反落。CSの株価急落で金融システム不安が再燃すると、欧米株価が軟調に推移。リスク・オフの円買いが優勢となった。2月米小売売上高や2月米卸売物価指数(PPI)が軒並み予想を下回ったことが分かると、米連邦準備理事会(FRB)が来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを見送るとの観測も強まりドル売りを促した。22時過ぎには一時132.22円と約1カ月ぶりの安値を付けた。
ただ、売り一巡後は下げ渋る展開に。スイス当局によるCS支援に関する報道が相場の下支え要因となり、133.77円付近まで下げ幅を縮めた。
なお、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、21-22日のFOMCで金利据え置きを予想する確率は60%を超える場面があった。
・ユーロ円は大幅反落。欧米の金融不安再燃で株価が軟調に推移する中、リスク回避の円買い・ユーロ売りが広がった。22時過ぎには一時139.48円と約2カ月ぶりの安値を更新した。ただ、「スイス当局はCS安定化への選択肢を討議」との報道が伝わると141.58円付近まで下げ渋った。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反落。経営不振が続くCSの株価が急落すると、金融システム不安が再燃。投資家がリスクを回避する姿勢を強め、金融株中心に売りが膨らんだ。指数は一時720ドル超下げた。ただ、取引終盤にスイス当局が「必要ならCSに流動性を供給する」と表明すると、リスク・オフの動きが和らぎ下げ幅を縮めた。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は小幅ながら3日続伸。米長期金利の低下が高PER(株価収益率)のハイテク株を下支えした。
・米国債券相場で長期ゾーンは大幅に反発。経営不振が続くCSの株価が急落すると、金融システム不安が再燃。投資家がリスク回避姿勢を強め相対的に安全資産とされる米国債に買いが集まった。利回りは一時3.3803%前後と2月3日以来の低水準を付けた。
・原油先物相場は3日続落。CSの最大の投資家であるサウジ国立銀行がCSへの追加出資が不可能との見解を示すと、CS株が一時30%超下落した。市場は、米銀2行の破綻に続き、新たな信用不安による金融危機を懸念しリスク回避の動きが加速した。原油先物は2021年12月3日以来となる65ドル台まで大幅に下落した。
なお、米エネルギー省(EIA)が発表した週間石油在庫では、原油は市場予想を上回る積み増し、ガソリンは予想を上回る取り崩しとなったが反応が限定的だった。
・金先物相場は反発。CSの最大の投資家であるサウジ国立銀行が、CSへの追加出資が不可能との見解を示すとCS株が暴落した。米銀に続き欧州の金融危機不安の再燃で、リスク回避の動きが進み、安全資産とされる金先物に買いが集まり大幅に反発した。