NYダウ384ドル安と反落 ファースト・リパブリック・バンクが再び急落

17日のNY株式相場は反落。米地銀のファースト・リパブリック・バンクが再び急落したことで金融株を中心にリスク回避の売りが強まった。


大手11行が300億ドルの預金支援を発表したことで前日に10.0%高と反発したファースト・リパブリックは32.8%安と急反落し、週間で71.8%安となった。


スイス国立銀行から最大540億ドルの借り入れを発表したクレディ・スイスの米国預託証券(ADR)も約7%下落したことで、金融システム全体への警戒感が続いた。


前日に371ドル上昇したダウ平均は517ドル安まで下落後、384.57ドル安(-1.19%)で終了。S&P500も1.10%安とともに反落し、ハイテク株主体のナスダック総合は0.74%安と5日ぶりに反落した。


週間ではナスダック総合が4.41%高と大幅反発し、S&P500も1.43%高と反発した一方、ダウ平均は0.15%安と小幅に2週続落した。


業種別では、S&P500の全11セクターが下落。金融が3.3%安、不動産が2.3%安となったほか、資本財、素材、エネルギー、ヘルスケアなども1%超下落した。

ハイテク・セクターはITが0.1%安、コミュニケーションが0.5%安と比較的小幅な下落にとどまった。


経済指標は、米3月ミシガン大消費者信頼感速報値が63.4と前回や予想の67.0を下回る弱い結果となり、併せて発表された1年先期待インフレ率速報値も前回の4.1%から3.8%に低下した。


米10年債利回りは前日の3.58%台から3.43%台に低下し、金融政策に敏感な米2年債利回りは4.13%台から3.84%に低下。


CMEのフェド・ウォッチが示す3月米連邦公開市場委員会(FOMC)での金利据え置き確率は前日の20%から41%に上昇した。




国際金融情報部 アナリスト

羽土 美幸

富山県出身。国内証券で株式等の営業、仏系証券でポートフォリオ分析、転換社債、エクイティ・デリバティブの分析・開発・営業などを担当。 2014年からDZHフィナンシャルリサーチにおいて米国株式、金融市場レポート編集、海外ETF業務を担当。

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