NYダウ530ドル安と3日ぶりに反落 イエレン米財務長官発言を嫌気

22日のNY株式相場は大幅反落。注目された米連邦公開市場委員会(FOMC)では市場予想通りに政策金利が0.25%引き上げられ、年内の利上げがあと1回にとどまるとの予想が示されたが、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が足もとでの金融危機が米国経済に悪影響を与える可能性について言及したことに加え、イエレン米財務長官が預金保険を無制限に拡大するつもりはないと発言したことが嫌気された。


ダウ平均はFOMC結果公表後に201ドル高まで上昇したが、530.49ドル安(-1.63%)と一日の安値圏で終了。

S&P500とナスダック総合もそれぞれ0.91%高、1.30%高まで上昇したが、S&P500が1.65%安、ナスダック総合が1.60%安で終了し、主要3指数がそろって3日ぶりに大幅反落した。


業種別ではS&P500の全11セクターが下落。不動産が3.64%安と下落率トップとなったほか、金融、一般消費財、エネルギーも2%超下落した。


イエレン米財務長官の発言を受けて地銀株が再び下落した。前日に29.47%高と3日ぶりに反発したファースト・リパブリック・バンクが15.47%安と反落し、コメリカ、M&Tバンク、USバンコープも7-8%下落。NASDAQ銀行株指数は4.66%安の大幅安となった。


FOMCはおおむね予想通りの結果となり、ターミナルレート(利上げの最終到達点)の予想はこれまで通り5.1%となった。

パウエルFRB議長は利上げの休止も検討したことを明らかにしたが、年内の利下げ転換を見込んでいないとした。



国際金融情報部 アナリスト

羽土 美幸

富山県出身。国内証券で株式等の営業、仏系証券でポートフォリオ分析、転換社債、エクイティ・デリバティブの分析・開発・営業などを担当。 2014年からDZHフィナンシャルリサーチにおいて米国株式、金融市場レポート編集、海外ETF業務を担当。

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