NYマーケットダイジェスト・27日 株まちまち・金利上昇・円安・ビットコイン急落

(27日終値)

ドル・円相場:1ドル=131.57円(前営業日比△0.84円)

ユーロ・円相場:1ユーロ=142.07円(△1.41円)

ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0798ドル(△0.0038ドル)

ダウ工業株30種平均:32432.08ドル(△194.55ドル)

ナスダック総合株価指数:11768.84(▲55.12)

10年物米国債利回り:3.53%(△0.15%)

WTI原油先物5月限:1バレル=72.81ドル(△3.55ドル)

金先物4月限:1トロイオンス=1953.8ドル(▲50.0ドル)


※△はプラス、▲はマイナスを表す。


(主な米経済指標)

特になし


(各市場の動き)

・ドル円は4営業日ぶりに反発。「米地銀ファースト・シチズンズ・バンクシェアーズは経営破綻したシリコンバレー銀行(SVB)を買収することで合意した」との報道が伝わると、金融システム不安に対する強い警戒感が和らぎ欧米株相場が底堅く推移。投資家のリスク回避姿勢が後退し円売り・ドル買いが優勢となった。「米当局は地銀への緊急融資制度の拡充など支援策を検討している」と伝わったことも円売り・ドル買いを促し、一時131.76円と日通し高値を更新した。

 なお、米連邦準備理事会(FRB)はこの日、明日28日に米上院銀行委員会公聴会に出席するバーFRB副議長(銀行監督担当)の冒頭証言を公表。バー副議長は「システムを安全かつ健全に保つために必要なら、金融機関の規模にかかわらず、すべての手段を使う用意がある」と表明する。


・ユーロドルは3日ぶりに反発。金融システム不安に対する過度な警戒感が和らぐ中、先週末に大きく売られたドイツ銀行が大幅反発すると、投資家心理が改善しユーロ買い・ドル売りが優勢となった。5時過ぎには一時1.0800ドルと日通し高値を更新した。


・ユーロ円は4日ぶりに反発。欧州時間発表の3月独Ifo企業景況感指数が予想を上回ったことを受けて円売り・ユーロ買いが先行。ダウ平均が一時320ドル超上昇すると、投資家のリスク回避姿勢が後退し円売り・ユーロ買いがさらに進んだ。3時30分過ぎには一時142.22円と日通し高値を更新した。

 ユーロ円以外のクロス円も上昇が目立った。ポンド円は一時161.85円、豪ドル円は87.54円、カナダドル円は96.50円、スイスフラン円は143.74円、メキシコペソ円は7.18円まで値を上げた。


・代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは急落した。対ドルでは一時2万6543ドル前後まで下落したほか、対円では349万円台まで売られた。「米商品先物取引委員会(CFTC)は大手仮想通貨取引所バイナンスと同社CEOのチャンポン・ジャオ氏を規制違反の疑いで提訴した」との報道が嫌気された。なお、バイナンスが発行するバイナンスコインも下落した。


・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸。「米地銀ファースト・シチズンズ・バンクシェアーズは経営破綻したSVBを買収することで合意」との報道や、「米当局は地銀への緊急融資制度の拡充など支援策を検討している」と伝わったことで、金融システム不安に対する過度な警戒感が和らぎ買いが広がった。

 一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに反落。米長期金利の上昇で高PER(株価収益率)のハイテク株には売りが出た。


・米国債券相場で長期ゾーンは4日ぶりに反落。米金融システムを巡る過度な懸念が和らぐと、これまでリスク回避を目的に買われていた米国債が売られた。2年債入札が「低調」と受け止められたことも相場の重し。


・原油先物相場は3日ぶりに反発。イラク北部の油田とトルコを結ぶパイプラインの稼働が停止したとの報道を受け、需給ひっ迫懸念が意識された。また、欧米金融システム不安が和らいだことも相場の支援材料となった。


・金先物相場は続落。「米地銀ファースト・シチズンズ・バンクシェアーズは経営破綻したSVBを買収することで合意した」と伝わり、投資家のリスク志向が改善。安全資産とされる金には利益確定売りが持ち込まれた。

為替情報部 アナリスト

中村 知博

鹿児島出身。2007年国際金融情報サービス会社に入社。 外国為替取引会社・金融機関への24時間リアルタイム金融情報サービスの為替記者として従事。市場動向や見通しなどを解説する動画サービスの業務も経験。 2017年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

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