先週の米国株は高安まちまち ヘルスケア株が上昇しダウ平均をサポート
先週の米国市場では主要3指数が高安まちまちとなりました。
ダウ平均が211.14ドル高(+0.6%)と3週続伸となった一方、S&P500が0.1%安、ナスダック総合が1.1%安とともに4週ぶりの反落となりました。
先週発表された経済指標が軒並み弱い結果となったことで米景気の悪化懸念が強まりました。
ダウ平均採用銘柄は、資本財のキャタピラー(-8.6%)、スリーエム(3.4%)、金融のアメリカン・エキスプレス(-3.7%)、ITのセールスフォース(-3.6%)などが下落したものの、
ヘルスケアのユナイテッドヘルス(+8.5%)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(+6.5%)、メルク(+5.6%)、アムジェン(+4.8%)、生活必需品のウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(3.5%)、プロクター・アンド・ギャンブル(+2.4%)、エネルギーのシェブロン(2.8%)などが上昇し、ダウ平均を押し上げました。
ヘルスケア4銘柄のダウ平均への上昇寄与は447ドルとなりました。
業種別では公益、ヘルスケアのディフェンシブ・セクターが大幅高
業種別の動きを見ると、先週はS&P500の11セクターのうち、5セクターが上昇し、6セクターが下落しました。
公益とヘルスケアがともに3.1%高、エネルギーが3.0%高となったほか、コミュニケーションが2.3%高、生活必需品が0.9%高となり、S&P500(-0.1%)をアウトパフォームしまし。
一方、資本財が3.4%安、一般消費財が3.0%安となったほか、素材が1.3%安、ITが1.1%安となり、不動産と金融もそれぞれ0.8%、0.6%下落しました。
週間上昇率トップの公益とヘルスケアは米10年債利回りが3月以降低下に転じたことや、弱い経済指標の発表が相次いだことで景気悪化懸念が強まったことが追い風となりました。
公益は3月上旬に年初来で9.9%安となりましたが、大幅に2続伸し、年初来下落率を1.0%に縮小しました。
ヘルスケアも3月上旬に年初来で8.9%安まで下落後、先週まで4週続伸し、年初来では1.8%安と下落幅を縮小しました。
3月1日から先週末までのパフォーマンスを比較すると公益が9.8%高、ヘルスケアが5.4%高となり、S&P500の3.9%高をともにアウトパフォームしました。
ハイテク・ジャイアントはディフェンシブ面でも評価
足もとでディフェンシブ株が堅調に推移する一方、ハイテク・ジャイアントの堅調も目立っています。
ハイテク株主体のナスダック総合指数は年初来で15.5%高と、S&P500の6.9%高、ダウ平均の1.0%高を大きくアウトパフォームしていますが、ナスダック市場の金融を除く時価総額上位100銘柄で構成されるナスダック100指数は年初来で19.4%高となり、ナスダック総合指数を上回るパフォーマンスとなっています。
時価総額上位銘柄の年初来騰落率は、時価総額トップのアップルが26.7%高、2位のマイクロソフトが21.6%高、3位のアルファベットが22.9%高、4位のアマゾン・ドット・コムが21.5%高と軒並み20%超の大幅高となっています。
強固なバランス・シートや潤沢なキャッシュフローを持つハイテク・ジャイアントは、成長力のみならず、景気悪化局面に強いディフェンシブ面でも評価されています。