NYダウ38ドル安と5日ぶりに小幅反落 リセッション懸念が重し

12日のNY株式相場は下落。米3月消費者物価指数(CPI)の伸び率が市場予想を下回ったことが好感されて買いが優勢となったが、午後に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、金融危機によるマイルド・リセッションへの懸念が示されたことでセンチメントが悪化した。


ダウ平均は一時210ドル高まで上昇したが、FOMC議事要旨公表後に91ドル安まで下落し、38.29ドル安(-0.11%)で終了。5日ぶりの小幅反落となった。

S&P500も一時0.62%高まで上昇後、0.41%安と2日続落して終了し、ハイテク株主体のナスダック総合は0.85%安と3日続落した。


S&P500の11セクターは、資本財、エネルギーなど4セクターが上昇した一方、一般消費財、コミュニケーション、IT、生活必需品、不動産など7セクターが下落した。


寄り前に発表された3月CPIは、前月比+0.1%と2月分の+0.4%から伸び率が鈍化し、市場予想の+0.2%も下回った。前年比でも+5.0%となり、2月分の+6.0%や市場予想の+5.2%を下回る伸びとなった。

一方、変動の大きい食品、エネルギーを除くコアCPIは前年比+5.6%と前月分の+5.5%から伸び率が上昇し、予想と一致した。


3月CPIやFOMC議事要旨を受けて、CMEのフェド・ウォッチが示す5月FOMCでの政策金利据え置き確率は前日の27%から35%に上昇し、0.25%の利上げ確率は73%から65%に低下した。



国際金融情報部 アナリスト

羽土 美幸

富山県出身。国内証券で株式等の営業、仏系証券でポートフォリオ分析、転換社債、エクイティ・デリバティブの分析・開発・営業などを担当。 2014年からDZHフィナンシャルリサーチにおいて米国株式、金融市場レポート編集、海外ETF業務を担当。

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