14日のNY株式相場は反落。予想を上回る決算を発表した大手金融機関が軒並み高となったが、米3月小売売上高が予想以上に減少し景気悪化懸念が強まった。
ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が長期にわたる金融引き締めが必要だと発言したことや、米ミシガン大学が発表した4月の1年先期待インフレ率速報値が予想を上回ったことも利上げの長期化懸念を強めた。
前日に383ドル高となったダウ平均は朝方に53ドル高まで上昇したが、298ドル安まで反落し、143.22ドル安(-0.42%)で終了。
S&P500とナスダック総合もそれぞれ0.21%安、0.35%安で終了し、主要3指数がそろって反落した。
ただ、週間では、ダウ平均が1.20%高と4週続伸し、S&P500が0.79%高、ナスダック総合も0.29%高とともに反発した。
ダウ平均採用銘柄はJPモルガン・チェースが7.55%高、ゴールドマン・サックスが1.44%高、キャタピラーが0.91%高となった一方、ボーイングが5.56%安、トラベラーズが2.79%安、ユナイテッドヘルスが2.74%安となり、ウォルグリーン、マイクロソフトも1%超下落した。
S&P500の11セクターは金融、コミュニケーションなど4セクターが上昇し、不動産、公益、ヘルスケア、素材など7セクターが下落した。
寄り前に発表された米3月小売売上高(前月比)は市場予想の-0.4%に対して-1.0%と予想以上に減少した。
一方、米4月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値は63.5と予想の62.0を上回る強い結果となり、併せて発表された1年先期待インフレ率速報値は4.6%と、3月の3.6%から大きく上昇し、予想の3.7%も上回った。
ウォラーFRB理事のタカ派発言やミシガン大期待インフレ率の上振れを受けてCMEのフェドウォッチが示す5月米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%の利上げ確率は、前日の67%から83%に上昇した。