(3日終値)
ドル・円相場:1ドル=134.71円(前営業日比▲1.84円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=149.13円(▲1.08円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1062ドル(△0.0063ドル)
ダウ工業株30種平均:33414.24ドル(▲270.29ドル)
ナスダック総合株価指数:12025.33(▲55.18)
10年物米国債利回り:3.34%(▲0.08%)
WTI原油先物6月限:1バレル=68.60ドル(▲3.06ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=2037.0ドル(△13.7ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標) <発表値> <前回発表値>
4月ADP全米雇用報告 29.6万人 14.2万人・改
米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利
5.00-5.25%に引き上げ 4.75-5.00%
(各市場の動き)
・ドル円は続落。米連邦準備理事会(FRB)は今日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、市場予想通り0.25%の利上げを実施。声明では「幾分の追加的な金融政策引き締めが適切になるかもしれないと予想する」とした前回の表現を削除し、「インフレ率を長期的に2%に戻すのに十分な金融政策スタンスを達成するため、どの程度追加の政策が適切であるかを決める際、金融政策の累積引き締め、金融政策が経済活動やインフレに影響を与える時間差、および経済と金融の動向を考慮する」との見解を示した。市場では「利上げ停止の可能性が示唆された」と受け止められ、ドル売りで反応。3時過ぎに一時134.84円まで下げた。
パウエルFRB議長の会見が始まると135.70円付近まで下げ幅を縮める場面もあったが、戻りは鈍かった。利上げ停止時期に関して「近づいている感触。すぐそこの可能性も」と述べたと伝わると再び弱含む展開となった。
株取引終了後に「米地銀パックウエスト・バンコープは売却を含めて戦略的選択肢を検討」との一部報道が伝わると、時間外の米株価指数先物が一段と下落。リスク回避の円買いが優勢となり、一時134.71円と日通し安値を更新した。
・ユーロドルは続伸。FOMCで「米利上げ停止が示唆された」との見方からドル売りが先行すると一時1.1091ドルと日通し高値を付けたものの、4月26日の高値1.1095ドルがレジスタンスとして意識されると失速した。明日の欧州中央銀行(ECB)定例理事会を控えて、積極的にユーロを買う動きは限られた。
・ユーロ円は続落。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、しばらくは方向感が出なかったが、米国株相場の下落とともにリスク回避の円買い・ユーロ売りが優勢となった。米地銀に関する報道を受けたリスク回避の動きが強まると、一時149.07円と日通し安値を更新した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落。FOMCでは市場予想通り0.25%の利上げが実施されたものの、声明で「幾分の追加的な金融政策引き締めが適切になるかもしれないと予想する」との文言が削除され、利上げ停止の可能性が示唆されると買いが強まった。ただ、パウエルFRB議長が会見で「金融引き締めが正当化される場合、より多くのことを行う用意がある」「FOMCのインフレ予測は利下げと合致しない」と発言すると失速した。市場では「タカ派的な会見だった」と受け止められたようだ。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も3日続落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは続伸。FOMC声明で利上げ停止が示唆されると債券買いが優勢となった。米債務上限問題を巡る懸念や米金融システム不安再燃への警戒から、相対的に安全資産とされる米国債が買われた面もある。
・原油先物相場は3日続落。FOMCの利上げが景気を抑制し、エネルギー需要を抑えるとの見方が上値を抑える流れが継続した。本日公表の米エネルギー省(EIA)週間石油在庫では、原油在庫は-128.1万バレル(前週 -505.4万バレル)と取り崩しが続いたものの、原油受け渡し地点オクラホマ州クッシングの在庫は+54.1万バレル(前週 +31.9万バレル)と積み増しが継続。ガソリン在庫は+174.2万バレル(前週 -240.8万バレル)と積み増しに転じ、原油を含むエネルギー関連相場の上値を重くした。
・金先物相場は続伸。FOMCの結果公表を前に、対ユーロなど主要通貨に対して調整のドル安が進行し、ドル建て金相場に割安感が生じたことで金が買われた。米金利低下が進んだことも、金利が付かない資産である金の相対的な投資妙味向上に寄与し買いを促した。