【オシレータ分析の使い方②】

オシレータ分析とは?

オシレータ分析は、マーケットの勢いや過熱感を数値化し、適切な売買タイミングを探るための指標です。オシレータに「振り子」の意味があるように、一定の値の中心値(中心線)から、上下に往復するように作られています。


オシレータ指標は50%を中心にして、0~100%などの決まった範囲を上限・下限として往復するように動きます。例えば、100%の上限ゾーンに近くなると買われ過ぎで反落が近いと判断し、逆張り売りの目安とします。一方、下限ゾーンに近くなると売られ過ぎで反発が近いと判断し、逆張り買いの目安とします。


前回は、オシレータ分析は数日間や数週間のもみ合い相場に有用で、買われ過ぎや売られ過ぎの判断による「逆張り指標」としての有効性について説明しました。今回は50%の中心線との交差について説明します。


中心線との交差の意味

オシレータと中心線の交差に注目して、トレンドを判断できます。図表内で示したように、オシレータが中心線を上回るタイミングは、トレンドが上昇に転じるタイミングとしばしば一致します。逆に、オシレータが中心線を下回るタイミングは、トレンドが下降に転じるタイミングとしばしば一致するからです。



これを、「順張り指標」の売買シグナルとして利用できます。中心線よりも下にあったオシレータが中心線を上回れば、トレンドが上昇に転じたと判断し、順張りの買いシグナルとします。

上昇トレンドが続いている場合、オシレータは中心線よりも上で推移することが多く、オシレータが中心線よりも上にあれば強気相場と判断します。上から中心線まで低下する、あるいは一時的に中心線を下回ったものの、すぐに中心線を上回ることがあり、同じく順張りの買いシグナルとなります。


一方、中心線よりも上にあったオシレータが中心線を下回れば、トレンドが下降に転じたと判断し、順張りの売りシグナルとします。

下降トレンドが続いている場合、オシレータは中心線よりも下で推移していることが多く、オシレータが中心線よりも下にあれば弱気相場と判断します。また、下から中心線まで上昇する、一時的に中心線を上回ったものの、すぐに中心線を下回ることがあり、同じく順張り売りシグナルとする方法もあります。


日本株情報部 チーフストラテジスト

東野 幸利

証券会社情報部、大手信託銀行トレーダー、大手銀行などの勤務を経て2006年に入社。 マーケット分析やデリバティブ市場のコンテンツを担当。世界主要指数や個別株を対象にテクニカル・ストラテジーの提案。 日経CNBC「夜エクスプレス」、日経チャンネル「マーケッツのツボ」、テレビ東京「モーニングサテライト」、ラジオ日経(金曜後場マーケットプレス)など 会社四季報プロ500、ダイヤモンド・ザイ、日経マネー、株主手帳など 金融機関向けコラム「相場一点喜怒哀楽」 IFTA国際検定テクニカルアナリスト(MFTA) 日本テクニカルアナリスト協会理事 CFP、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務) DCアドバイザー(確定拠出型年金教育・普及協会)

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