週明けの日経平均は大幅続落
週明けの日経平均は大幅続落。米国株高や米国と欧州連合(EU)間の関税交渉合意などを受けて上昇して始まったものの、早々にマイナス転換となりました。300円超下げたところでいったん切り返しをみせましたが、戻し切れず売り直されて安値圏で前場を終了。後場も売りが止まらず、節目の41,000円を割り込んで終えました。
東証プライム市場の売買代金は概算で4兆500億円。値上がり銘柄数695に対して、値下がりは860銘柄と、値下がり優位の展開でした。業種別では、輸送用機器、繊維、サービスなどが上昇した一方、銀行、情報・通信、電気機器などが下落しました。
個別では、1Qが大幅な増益となったファナック(6954)が大幅高。米中交渉の進展期待が高まったことで安川電機(6506)が買われました。ドル円が円安に振れたことから、ホンダ(7267)、マツダ(7261)など自動車株が全般堅調でした。一方、証券会社の投資判断引き下げが嫌気されたアドバンテスト(6857)が9%安と派手に売られ、1銘柄で日経平均を約278円押し下げました。1Qが減益となったSCREENが大幅安。三菱UFJ(8306)など銀行株が弱く、ほくほくFG(8377)や七十七銀行(8341)など地銀株に下に値幅が出るものが散見されました。
週足でみるファナックの株価推移
図表は、ファナック(6954)の2020年2月からの週足のローソク足に加え、13週・26週・52週移動平均線です。下位は、売られ過ぎや買われ過ぎなどをみるオシレータ系指標で代表的な相対力指数のRSI(9週ベース)の推移です。
大局的な流れとしては、2020年3月につけたコロナショック後の安値(2,404円)からの上昇一服後は高値と安値を切り下げる動きになっています。
2021年2月高値(5940円)を起点として主要な高値を通る抵抗線①と、2022年3月安値(3,748円)を起点として主要な安値を通る支持線との間で、大きなもみ合いに近い動きにもみえます。
今年4月の急落局面では一時3,038円まで売り込まれ、支持線を下回る場面がありましたが、下回った状態が続いたわけではなく、早々に支持線上を回復する動きになりました。
7月中旬ごろまでは概ね同水準にある26週移動平均線と52週移動平均線の下方で弱気相場にありましたが、先週の大幅高で大陽線を形成し、2本線を一気に上回る強気シグナルが点灯したことが判断できます。
RSI(9週ベース)も50%水準まで低下した後、上向きに変化していることが確認できます。
週明けの同社株は5%の大幅高となりました。7月25日、未定としていた26.3期の連結営業利益予想を1595億円(前期比0.4%増)にすると発表しました。市場予想を下回る見通しとなりましたが、1Q(4-6月)の大幅増益が好感されました。買い一巡後は伸び悩みましたが、4月の急落時につけた安値(3,038円)を起点に上昇基調が続いています。
再び、抵抗線①に上値を抑えられることで高値形成のパターンが考えられますが、今回の決算材料をきっかけに抵抗線①を上回ることができれば、大局的な弱気相場から抜け出す重要な1つのシグナルとなります。
一方、2023年11月安値(3,603円)からの上昇相場では、昨年5月高値(4,748円)までにとどまり、抵抗線①まで届きませんでした。当時の高値がより短期目線でみた抵抗線②と判断することもできます。概ね抵抗線①と同水準にあることからも、ここから上昇が継続した場合でも短期的には上昇が一服する水準と判断することができそうです。