先週末の日経平均は4日続伸
先週末の日経平均は4日続伸。米国株は3指数がまちまちでしたが、ハイテク株主体のナスダックの上昇を好感しました。高寄りから一段高となり、後場の序盤まで上値を伸ばす展開となりました。引けにかけては上げ幅をやや縮小しましたが、7月24日につけた終値ベースの年初来高値(41,826円)に迫る陽線を形成して終了。TOPIXは3,000ポイント台を回復し、連日で史上最高値を更新しました。
東証プライム市場の売買代金は概算で6兆7,700億円。値上がり銘柄数1,067に対して値下がりは496銘柄と、値上がり優位の展開でした。業種別では、ゴム製品、精密機器、その他製品などが上昇した一方、繊維、医薬品、非鉄金属などが下落しました。
個別では、ソニーG(6758)が連日で大幅上昇。米国との関税交渉に対する懸念が和らぎ、トヨタ自動車(7203)やホンダ(7267)など自動車株が軒並み高。ブリヂストン(5108)やTOYOTIRE(5105)などタイヤ株が決算を受けて強く買われました。一方、治験結果を受けた米イーライリリー株の急落が警戒材料となった中外製薬(4519)が17.7%安と急落。前日に決算を材料に急落した古河電工(5801)が10%安となり、前日には決算で買われたフジクラ(5803)も大きく売られました。今期の減益見通しを提示したDeNA(2432)が大幅安となったほか、下方修正を発表したクラレ(3405)が急落しました。
週足でみるブリヂストンの株価推移
図表は、ブリヂストン(5108)の2022年5月からの週足のローソク足に加え、13週・26週・52週移動平均線です。下位は、売られ過ぎや買われ過ぎなどをみるオシレータ系指標で代表的な相対力指数のRSI(9週ベース)の推移です。
大局的な流れとしては、2023年1月安値(4,548円)を起点に2024年5月高値(7,058円)まで続いた上昇波動を調整する流れが続いています。
2024年5月高値からの調整では2024年8月に急落があり、一時4,970円まで下落する場面がありました。しかし、すでに調整局面に入っていたことで、急落がダメ押し的な動きになり、週足ローソク足は長い下ヒゲを形成して底打ちにつながりました。2023年1月安値まで続いた過去のもみ合いゾーンに入ったことで、値ごろ感などによる押し目買いが優勢となり、下げ止まる要因になったことも考えられます。
その後、三角保ち合いを形成しながら調整が進み、13週移動平均線と26週移動平均線を一気に上抜ける動きとなり、ゴールデンクロスを背景に52週移動平均線を上回る展開となりました。
一方、今年4月の急落時には52週移動平均線をはじめ26週移動平均線と13週移動平均線を上から一気に下回り、2024年8月安値に迫る場面がありました。ただ、2022年後半につけた高値水準を起点に直前に形成した三角保ち合いの下限などを通る支持線がサポートになり、週足ローソク足は強気の長い陽線を形成し、2024年8月安値を割り込まずに底打ちにつながりました。
現在は、4月安値(5,113円)を起点とした上昇局面にあります。先週形成した強気の長い陽線によって2月以降の高値を通る抵抗線の節目を上方にブレイクしたことで、上値余地が拡大したことが考えられます。
上値めどになりやすいのは、今年5月につけた上場来高値(7,058円)や次の心理的節目となる8,000円などが予想されます。
ただ、先週の上昇で6,573円まで上昇しました。2024年5月高値からの調整過程では、ローソク足の間にマドが開いた水準が6,556円~6,581円に存在します。ここからすぐにマドの上限である6,581円以上まで上昇できると、マド埋めによる一段高が見込まれます。
一方、RSI(9週ベース)は、株価が今年2月~3月にかけてつけた高値時の水準まで上昇しています。過去のマドをすぐに埋めきれない状態で反転するケースもよくあるため、短期的には調整が入ることも想定しておく必要があるでしょう。