中国株に投資する理由は成長性にあり!?

「中国株」と聞いてみなさんは何を思い浮かべるでしょうか?ネットをみていると、「よくわからない」「何だかこわい」といったイメージを持っている方が多いように感じます。ネットの世界では中国に関するネガティブな報道が多いこともあり、中国株を敬遠している人もいるようです。しかし、中国に対して正しい知識を身につけていれば大丈夫。中国株は決してこわいものではありません。これから、中国株に投資していくにあたり、必要な知識を一緒に学んでいきましょう。


中国株の魅力は「成長性の高さ」

 

では、実際に中国株に投資している人は、なぜ数ある投資対象の中から中国株を選んで投資しているのでしょうか。「中国に興味があるから」「中国に留学・駐在していたから」「ほかの人に勧められたから」「なんとなく儲かりそうだから」――。人によって理由はさまざまだと思いますが、中国株に投資する大きな魅力の一つは、「成長性の高さ」ではないでしょうか。


中国は名目GDPで世界2位の経済大国


実際に中国の成長性を見てみましょう。こちらは世界経済のトップ3を占める米国、中国、日本3カ国の名目経済成長率(GDP)の推移を示したグラフです。このグラフを見ると3カ国の勢いの差が一目瞭然です。




 

長らく世界2位の座にあった日本は、バブル景気後の長期停滞でほぼ成長が止まり、横ばい推移が続いています。それに対して中国は、1990年には日本の1割ほどの経済規模しかありませんでしたが、その後急成長を遂げています。2000年にはGDPの規模が90年比で約3倍、2010年には同じく90年比で約15倍に拡大し、日本のGDPを超えて世界2位の経済大国となりました。


当時、中国の時代を象徴する出来事として、日本でも新聞などで大きく報じられました。まだ十数年前の出来事なので記憶している方も多いと思います。「ついに抜かれたか・・・」とショックを受けた方も多かったのではないでしょうか。

 

中国の経済成長の勢いはその後も続き、日本との差はさらに拡大。足元では米国をいまにも追い抜こうか、というところまで来ています。では、中国が米国を追い抜くのはいつかになるのか?専門家の予想は主に2020年代の後半から2030年代の前半に集中しており、いまのところ2030年ごろには中国が米国を抜いて世界1位になるのではないかと考えられています。もちろん1人当たりのGDPでみると世界の先進国とはまだ大きな差がありますが、少なくとも経済規模の面だけでいえば、中国が世界最大となる日が迫っているのです。


存在感を増す中国企業


そして、国全体の経済規模だけでなく、中国企業そのものの存在感も高まっています。次は、米フォーチュン誌が発表している企業収益をランク付けした「フォーチュン・グローバル500」を見てみましょう。



「フォーチュン・グローバル500」は、世界トップ500社の総収益ランキングです。売上高の世界トップ500社のうち、日米中3カ国の企業数を比べてみると、中国企業は2010年の47社から2015年には98社、2020年には124社にまで増加。こちらは、先ほど紹介した名目GDPよりも一歩先に米国を抜き、トップ500社の数の上ではすでに世界1位となっています。直近2021年では135社となり、米国との差をさらに広げようとしているのです。


 

そして、2021年の上位10社の内訳を見てみると、ウォルマートやアマゾン、アップルといった米国を代表するグローバル企業に混ざって、中国企業では3社がランクインしています。2位に送電事業を手掛ける国家電網、4位と5位にそれぞれ石油事業を手掛ける中国石油天然気集団(ペトロチャイナ)と中国石油加工集団(シノペック)が入りました。いずれも中国を代表する国有企業です。国家電網は、あまり日本のニュースに出てくることもないので、初めて聞いたという方も多いかもしれません。ちなみに、日本企業では9位にトヨタ自動車が入っているだけという状況で、日本企業の世界での存在感は大きく低下してきています。

 

国の経済規模の拡大とともに、その成長を支える中国企業も育ってきているのです。次回も中国株投資の魅力の一つである成長性について見ていきたいと思います。お楽しみに。





中国株情報部 部長兼編集長

池ヶ谷 典志

立命館大学卒業後、1997年に北京の首都経済貿易大学に留学。 北京では中国国有の大手新聞社などに勤務し、中国の政治、経済、社会記事などを幅広く執筆。 帰国後の2004年にT&Cトランスリンク(現DZHフィナンシャルリサーチ)入社。 現地での豊富な経験や人脈を生かして積極的に中国企業や政府機関などへの取材を行ない、中国企業の調査・分析を行なっている。

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