連続増配中の「アイモバイル(ふるなび)」と「トーホー」は、どちらも今期利回りが4%超えの高配当銘柄です。しかし、投資先として検討するには、今後の業績予想や株価変動はしっかりと確認しておきたいところ。今回は、この2銘柄について詳しく解説します。
アイモバイル(6535)
アイモバイルは、ふるさと納税サイト「ふるなび」の各種サービス運営およびインターネット広告事業を行う企業です。インターネット広告事業としては、広告提供のほか、広告代理店の運営やスマホ向けアプリの運営、マーケティングサービスなども行っています。
2024年度の売上高は約190億円、経常利益は約35億円でした。「ふるなび」サービスに「ふるなびトラベル」が登場したことでさらなる新規顧客増加を見込んでおり、2025年度は売上高が約230億円、経常利益は約43億円となる予想で、どちらも増収・増益となる見込みです。
アイモバイルの株価
2025年6月時点の株価は約600円です。2019年に約180円だった株価は、2021年には約500円まで上昇しました。小さな株価変動は頻繁に発生しているものの、約400円から約600円の間を推移しており、長い目でみると株価変動はほぼ横ばいとなっています。
株主優待の「ふるなびポイント」は廃止
アイモバイルの株主優待は、現時点で実施されていません。2018年7月の権利確定日に新設されましたが、2019年7月の権利確定日を迎える前に廃止されました。
株主優待の内容は「ふるなびグルメポイント」の進呈でしたが、2019年6月にふるさと納税制度を見直す法律が施行されたことにより、ふるさと納税によるふるなびグルメポイントへの寄附が行われなくなったことから、急きょ廃止となっています。
アイモバイルの配当金は連続増配
2025年度の配当金は、7月末の期末配当にて年間1株当たり26円となる予想です。この金額は、2022年度の12.66円、2023年度の13.33円、2024年度の22円から3期連続で増配となっています。
アイモバイルの利回り
1株600円で100株購入した場合、投資金額は6万円になります。配当金額は年間1株当たり26円のため2600円となり、配当利回りは約4.3%です。なお、各年度の平均株価から算出した配当利回りの実績は、2021年度は約7.5%、2022年度は約2.8%、2023年度は約3.2%、2024年度は約4.9%でした。
トーホー(8142)
トーホーは、業務用食品の卸売販売を行う企業です。国内一の売上を誇り、レストランやホテルなどへの提供や業務スーパー「A-プライス」の運営を行っています。また、飲食店を対象とした商談会や展示会、講習会などの開催、調理器具の製造販売など、食品に関する様々な事業を展開しています。
2025年度の売上高は約2460億円、経常利益は約77億円でした。インバウンドによるホテル・外食需要が続くと考えられており、2026年度は売上高が約2530億円、経常利益は約83億円となる予想で、どちらもやや増収・増益となる見込みです。
トーホーの株価
2025年6月時点の株価は約3000円です。比較的株価変動が大きく、2022年に約1000円だった株価は、2023年には約4000円まで上昇しました。2024年以降は、約2500円から約4000円の間で何度も株価変動を繰り返しています。
株主優待は割引券がおすすめ
トーホーの株主優待は、毎年1月末の権利確定日に、100株以上保有する株主に対して、株式の保有数および保有年数に応じて贈呈されます。贈呈される内容は、割引券もしくは自社商品もしくは寄附の3種類から1つ選択して受け取ることができます。
割引券は、利用できる店舗は限られていますが、金額的に最もお得で、該当店舗をよく利用される人にとっては最もおすすめです。自社商品にはオリジナル商品セットとコーヒーセットの2種類があり、200株以上保有する株主は、どちらかを選択できます。ただし、商品の内容を選ぶことはできません。
株式の保有数および保有年数に応じて贈呈される株主優待の内容は、下記のイラストをご確認ください。
トーホーの配当金は連続増配・過去最高額
2026年度の配当金は、7月末の中間配当で75円、1月末の期末配当にて75円の、年間1株当たり150円となる予想です。この金額は、2021年度の無配当、2022年度の5円、2023年度の35円、2024年度の90円、2025年度の125円から5期連続で増配し、過去最高額となっています。
トーホーの利回り
1株3000円で100株購入した場合、投資金額は30万円になります。配当金額は年間1株当たり150円のため15000円となり、配当利回りは約5.0%です。なお、各年度の平均株価から算出した配当利回りの実績は、2022年度は約0.3%、2023年度は約2.5%、2024年度は約3.4%、2025年度は約4.2%でした。
まとめ
「アイモバイル(ふるなび)」と「トーホー」についてご紹介しました。
今期の業績はどちらもやや増収する見込みではあるものの、業績回復による株価上昇が期待できるほど大幅な回復は見込まれていません。
どちらも連続増配中の高配当銘柄であり、アイモバイルは少額から投資可能である点、トーホーは株主優待がある点が、それぞれ異なるメリットとして挙げられます。どのような投資をしたいか事前に考慮した上で、投資先として検討してみてはいかがでしょうか?